2-1 MBA & ビジネスの最近のブログ記事


以前から読もうとは思っていたのですが、読めていなかった渋沢栄一の「論語と算盤」で、「超訳」という形で読みやすいバージョンが出ていたので早速読んでみました。


正しい道徳を完全なものとしながらの経済活動そしてビジネス活動でなければ、国の繁栄は成り立たない。

国の富や繁栄というものは、仁義道徳、正しい道理に根源がなければ、決して永く続くものではないのだ。(P.15)

ビジネスをやるにあたっては、やはりこういった志がなければ永くは続かないのだと思います。


常にまわりに敵やライバルがあって苦しめられ、その敵やライバルに必ず勝ってみせるぞという気がなくては、人は決して上達、進歩するものではないのだ。(P.41)

人間はやはり競争環境におかれてこそ上達、進歩するものなんだと思います。健全で適度な競争環境に身を置くことが自分を成長させる上でも重要なのだと思いました。


では常識とは何か。
私は次のように考える。

それは、何をするに当たっても極端に走らず、がんこにならず、是非善悪をきちんと見分け、利害得失をよく考え、言葉や行動もすべて中庸を心がけていくことだる。(P.92)

こういった常識を備えられるようになりたいものです。


ビジネスの本質つまり本当の利益の追求というのは仁義道徳にもとづかなければ、決して永続するものではない、とわたしは考えるのである。(P.111)

金儲けはけしからん、なんてことは一言も言われていません。ただ、金儲けが私利私欲に基づくものなのか、仁義道徳に基づくものなのか、そこが最も大切なポイントなのです。


たとえば孔子の「仁の実践にあたっては師に譲らなくてよい」という教えである。

道理の正しいところに向かっていくには、あくまで自己の主張を通してよいというのである。師は尊敬すべき人であるが、仁の実践においてはその師にすら譲らなくてよい(後略)(P.158)

仁のためなら、師に対しても譲る必要はないと。こういった価値観をきっちりと持った上で、日頃からそういった価値観を拠り所として行動していきたいものです。


どんな職業であろうと、どんな立場にあろうと、いつも自分自身の力でもって進み、正しい道に少しも反しない生き方をし、そして財を築き、繁栄をもたらしていくようにしなければならないのだ。(P.176)

まさに職業に貴賎なし、というところでしょうか。


もっと論語を深く勉強していかなければ、と思う1冊でした。


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戦略と実行―組織的コミュニケーションとは何か
戦略と実行―組織的コミュニケーションとは何か清水 勝彦

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戦略と実行
 組織的コミュニケーションとは何か

内容紹介

マイケル・ポーター『競争の戦略』が刊行されたのは30年以上も昔のことだ。いまや企業にとって戦略は必要不可欠なものとなった。戦略を持たない企業はないといえる。ところが、一時ブームとなった「ブルーオーシャン戦略」は、他社との差別化の道は容易には見つからないという厳しい現実を前に、あっという間に廃れてしまった。どの企業も同じような戦略を立て、差別化が困難という状況が続いている。
 どの企業も頭のいい人が集まって立派な「成長戦略」を掲げているのに勝者、敗者に分かれるのは、戦略の本質を理解した「実行」が決め手になっているから。企業の業績は戦略と実行の掛け算であり、戦略立案=トップの役割、実行=現場の役割といった二分法ではうまくいかない。戦略とは分析、ロジックであり、実行は組織における人間の気持ち、やる気である。本書は、戦略実行における問題点、失敗事例を挙げながら、実行の要となる「組織におけるコミュニケーション」を深堀りする。

目 次

戦略と実行

はじめに

第一部 戦略実行の「今」

第1章 戦略実行の原点

 1・ロジック経営の陥穽
 2・経営の気持ち
 3・実行とコミュニケーション
 
第二部 戦略実行の問題点

第2章 戦略と実行

 1・戦略のコモデティ化
 2・コンサルティング会社に見る「実行」の変遷
 3・「戦略」と「実行」への誤解
 4・「実行」の本質

 ■戦略実行の事例1
   ヒューレット・パッカードの失敗

第3章 戦略実行の失敗分析

 1・戦略実行の失敗要因
    a.トップの鶴の一声とあれもこれも
b.時間・準備不足
    c.戦略が不明確
d.実行と評価制度がリンクしていない
e.責任が不明確
f.部門間の対立
g.納得度が低い
h.片手間の実行
i.情熱・本気度の不足
 2・戦略実行の失敗分析の前提
    a.トップの鶴の一声
b.時間・準備不足
c.戦略が不明確
d.実行と評価制度がリンクしていない
e.責任が不明確
f.部門間の対立
g.納得性が低い
h.片手間の実行
i.情熱・本気度の不足
3・戦略実行失敗の構造的問題

第三部 組織におけるコミュニケーション

第4章 コミュニケーション

 1・素振りとゲーム
 2・コミュニケーションとは何か
 3・組織におけるコミュニケーション
 4・コミュニケーションは「聞く」ことから始まる
 5・コミュニケーションと感情
 
第5章 コミュニケーションと戦略実行

 1・戦略実行とコミュニケーション
 2・階層とコミュニケーション
 
第6章 コミュニケーションの論点

 1・コミュニケーションの成果よ効率
 2・地獄と天国のコミュニケーション
 3・PDCAが回らないわけ

第7章 戦略の共有化・コミュニケーションに関する研究の示唆

 1・会議の目的と現実
 2・知識(抽象)と現場(具象)
 3・戦略の共有と業績
 4・部下との認識の共有と業績

 ■戦略実行の事例2
   サターンの失敗

第四部 組織の実行力向上に向けて

第8章 組織の実行力を測る10の質問

 1・あなたは、相手が話を聞かないのは自分の責任だと思っているか?
 2・あなたは、会社のビジョンを「絵」に描けるか?
 3・あなたは、Planにどれだけ資源をかけているか知っているか?
 4・あなたは、Checkをした「つもり」になっていないか?
 5・あなたは、制度を作って「できた」と思っていないか?
 6・「成功」と「失敗」の二元法で様々なことが語られていないか?
 7・あなたは、「和気あいあい」が「コミュニケーションがよい」ことであると思っていないか?
 8・「根負け」したり、させられた経験を、社員が持っているか?
 9・あなたは、現場での「発見」を奨励しているか?
 10・あなたは、「コミュニケーション」に効率性ばかり求めていないか?
 
第9章 まとめ:今の日本の経営の問題

 1・戦略のコモディティ化再考
 2・まとめ


あとがき
「戦略実行」の参考書

http://ec.nikkeibp.co.jp/item/books/P48450.html


この本を読んで、戦略は実行されて初めて意味があるんだと強く思いました。頭でっかちな戦略だけを立案しても、実行され、結果につながらなければ意味がないんだと思います。

シティグループの次期CEOとみなされながら、サンディ・ワイルに解雇され(1998年)、その後に職を得たバンクワンがJPモルガン・チェースに買収されると同時にCEOとしてウォールストリートに返り咲き、そればかりか金融危機を乗り切ってシティバンクにはるかに差をつけているジェームズ・デイモンは、「ありきたりの戦略をきっちり実行するほうが、すばらしい戦略を立てて実行につまずくよりもはるかに意味がある」と断言しています(フォーチュン2002年7月22日号)。(P.4)

これは確かにその通りな気がします。実態としては、きっちり実行できていない企業がほとんどなのではないかと思います。


日産自動車のゴーンCEOは「社員には自分たちがどこに行こうとしているのか絶えず知らせる必要があります。戦略と目標を明示されることによって社員たちは鼓舞されるのです」と指摘します。つまり目標や戦略がきちんと共有されていれば、それは実行につながるということです。(P.23)

戦略を作ったとしても、それがトップの自己満足で終わってしまっては、実行にはつながらないのでしょう。戦略が全従業員に共有され、それが表面的ではなく、腹に落ちて初めて共有できたと言えるのではないかと思います。


ヘンリー・ミンツバーグはその著書『Managers, not MBAs』(2004年、邦訳は『MBAが会社を滅ぼす』日経BP社)で、経営者に必要な三つの要素を挙げています。

1.分析を中心とした科学的要素
2.経験を中心とした職人的要素
3.ビジョンの創造というアートの要素

そして、これまでの経営の見方、その結果としてMBA教育は第一の「分析」を中心とした科学的要素に偏りすぎていると指摘します。よくトップの役割と指摘されるビジョンだけでなく、経験から学ぶ職人的な要素が必要だとするところに、ミンツバーグの真骨頂があります。過去のデータの分析と将来のビジョンは、戦略の実行を通じて得られる経験と学習があって初めて結びつき、結果が出るのです。(P.51-52)

この3つの要素を兼ね備えた経営者というのはどれほどいるものなのでしょうか。


「伝える」から「共有」へ

Said ne Heard
(こっちが言ったからといって、聞いてもらえたわけではない)

Heard ne Listened
(「聞いて」もらえたからといって、「聴いて」もらえたわけではない)

Listened ne Understood
(聴いてもらえたからといって、理解してもらえたわけではない)

Understood ne Agreed
(理解してもらえたからといって、賛成してもらえたわけではない)

Agreed ne Convinced
(賛成してもらえたからといって、腑に落ちて納得して行動しようと思ってもらえたわけではない)

(P.157)

他人に納得させるのがいかに難しいかをきちんと理解した上で行動する必要がありますね。


まさに、「まず相手を理解することに努めなさい。その上で、自分を理解してもらおうとしなさい」(Seek first to understand, then to be understood)(P.163)が重要なんだと思います。


「コミュニケーションとは意味を共有化することである」という定義には二つの意味を含んでいます。一つは、「内容について共有すること」、(中略)もう一つは「何が共有できており、何が共有できていないか」を共有化することです。(P.178-179)

この2点目に関してはほんとに重要だなと思います。何が共有できていて、何が共有できていないかを明確にしないまま、いろいろと議論していても、あまり意味のある議論はできないのではないかとよく思います。


戦略の実行、そしてそのためのコミュニケーションという視点から言えば「トップが現場を知る」とはいくつかのレベルがあります。(中略)
1.現場の市場・競合情報を知る
2.現場に、トップの指示が届いているかどうかを知る
(中略)
3.現場の人間がどのような気持ちかを知る
4.現場の人間が、自分の気持ちをわかっているかどうかを知る

(P.191-192)

特にこの後半2つの点こそがコミュニケーションなのではないかと思います。そういった気持ちを共有できていれば、強い組織になるのではないでしょうか。


「仲が悪いからコミュニケーションがない」のではなく、「コミュニケーションがないから仲が悪くなる」(P.202)

確かにそうかもしれません。


CDIで私と一緒に働き、その後、産業再生機構を経て経営共創基盤でマネージング・ダイレクターをしている田中正範氏が私のクラスに来てくれたときに大変奥の深い指摘をしてくれました。

社長が、明日これをやるといってやらなかったら、みんなにうそつきといわれる。しかし、一年後にこれをやるといって出来なくても、みんな何も言わない。(P.231-232)

時間の効果は非常に大きいわけですね。


どんなにすばらしいアイデア、戦略を作っても、その実行に同じかそれ以上の労力を持って取り組むことがなければ、本当の果実は得られません。「仮説」と知りながら全力で取り組む、その二律背反した命題に取り組める力こそが組織の実行力なのだと思います。(P.275-276)

結局はいかに実行できるか、それにつきる感じでしょうか。

ということで、清水勝彦さんの戦略に関する3部作の完結編でした。他の2冊は以下のものです。どれも平易な言葉で書かれているので読みやすい本でした。


戦略の原点
戦略の原点清水 勝彦

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経営意思決定の原点
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経営意思決定の原点
経営意思決定の原点清水 勝彦

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経営意思決定の原点

内容紹介

『戦略の原点』に続くテキサス大学流MBAシリーズの第二弾。前著と同様、MBAレベル、つまりやさしい解説でケーススタディをたっぶり紹介しながら、組織の戦略的意思決定についての勘所をコンパクトに解説する。

本書のハイライトは、意思決定にみられる「病」の分析。
(1)決められない(優柔不断)、
(2)決め急ぎ(拙速による失敗)、
(3)決めただけ(決定しても実行されない)、
(4)決めっぱなし(意思決定の見直しがなされない)、
(5)決めすぎ(実行途中で次々と変更される)
を取り上げ、それぞれの「病」の背景を詳しく解説する。

さらに、意思決定の理論的枠組みと組織の意思決定力を高めるための方法についても詳しく説明されている。
世界的にデフレからインフレへと大きく潮流が動くなか、経営意思決定を再考するのにふさわしい1冊。


目次

はじめに

第一部:経営意思決定の基本要素
個人と経営意思決定
(1)良い意思決定
(2)心理的な意思決定の落とし穴
 1.「Seeing is believing」は本当か?:選択的認識
 2.態度が変わるから行動が変わるのか?:認識の不整合の解消
 3.「そうなると思っていたよ」?:記憶とヒンドサイトバイアス
 4.基準が違えば答えも違う?:アンカーリングと目立つ情報の効果
 5.成功は自分の貢献、失敗は環境のせい:因果関係の根本的なエラー
 6.半数はトップ一〇%?:自信過剰
 7.これだけの証拠があるから間違いないはずだ?:正当化バイアス

グループと経営意思決定
(1)三人寄れば文殊の知恵?
(2)グループシンク
(3)グループの圧力と少数派の役割

組織と経営意思決定
(1)限られた資源のトレードオフ
(2)競合の反撃
(3)意思決定は出発点

ミニケース1:アサヒビール:スーパードライのあと


第二部:組織の経営意思決定に見られる病状
決められない:優柔不断
(1)「決めるべきなのに決めないのか」「決めるべきでないから決めないのか」
(2)決められない理由
 1.「何もしないこと」が心地よい
 2.確信の持てる選択肢がない
 3.どうせできない
(3)「決められない」ことの副作用

決め急ぎ:拙速
(1)「準備」が決定の質を決める
 1.成功体験と心理的なバイアス
 2.早く決めて楽になりたい

決めたはず:決定事項が実行されない
(1)意思決定に従わない組織
 1.決定の目的化
 2.経営と現場との認識ギャップ
 3.忙しい!

決めっ放し:決めたことの評価・見直しの欠如
(1)評価と見切りの大切さと難しさ
(2)「決めたこと」が「自然死」する問題
 1.測らない
 2.現場の状況がトップに伝わっていない

決めすぎ:頻繁な変更による資源の浪費
(1)経営と「朝令暮改」
(2)「朝令暮改」の問題
(3)決めすぎてしまう理由
 1.成功体験
 2.失敗体験

ミニケース2:シアーズとKマート


第三部:組織の経営意思決定力を高める
敏感力
(1)経営意思決定プロセス再考
(2)網を張る

コミュニケーション力
(1)戦略意思決定とコミュニケーション力
(2)リーダーのコミュニケーション力
(3)現場のコミュニケーション力
(4)コミュニケーション力の根底にあるもの

バランス力
(1)コミットメントvs見切り
(2)自信(夢)vs現実(問題)
(3)個人vsグループ(組織)
 
ミニケース3:GAP

あとがき

http://ec.nikkeibp.co.jp/item/books/P46950.html


個人の意思決定だってやさしいものばかりではありませんが、組織の意思決定というのは本当に難しいものなんだと思います。そして、失敗をしてしまうと、これまた取り返すのが難しい事項が多いのではないかと思います。会社の経営って、ほんとに難しいですね。


(前略)成果主義で何でも解決できると安易に判断してしまった会社はしっぺ返しを受けても当然だろうと思います。結局、金銭が動機付けの大きな要因であることは間違いないのですが、金銭的報酬「だけ」にしてしまった瞬間、これまで「会社のため」だったり、「仕事が面白い」と思って働いていた人たちが、「結局、俺たちは金で買われているのか」と考えや態度を改めざるを得なくなるように強いられたのです。(P.27)

金銭的報酬が大きな要因ではあったとしても、それだけにしてしまっては、強い組織を作ることはできないのだと思います。


もちろん、競争相手に比べて業績が良い方がいいに決まっています。しかし、歴史も、文化も、戦略も違うのです。「大手インベストメントバンクだから」「マスコミによく並んで取り上げられるから」だけでライバル視し、自社の戦略や強みを顧みず、闇雲に業績を競ったとすれば、そこに無理があったのもうなずけます。(P.39)

同じ業界に属しているといっても、「歴史も、文化も、戦略も違う」のであれば、業績だって違ってきて当然ですね。


冒頭で挙げたミンツバーグ教授の言葉「Strategy can be described as a pattern in a stream of decisions.」の通り、一つの経営意思決定がなされた後、さまざまな関連する意思決定を積み重ね、競合の動きも踏まえて軌道を修正しながら効果的な実行ができてはじめて投資はリターンとなって戻ってくるのです。(P.88)

戦略は、戦略を決めるだけではなく、その後の外部環境の変化も考慮しながら、きちんと実行して初めて成果につながると。そういう意味では、スタティックなものではなく、非常にダイナミックなものと言えるかもしれません。


本田宗一郎氏を支えた藤沢武夫氏の言葉を借りるまでもなく、経営とはマラソンを何度も何度も走るようなものです。一つのレースでいいスタートを切る(良い決定をする)のと同じか、それ以上に、どのレースを走るか、そして駆け引きを踏まえてどうフィニッシュするかが重要なのです。(P.93)

偉大な経営者は、たとえ話がとてもうまいですね。


トリンプ・インターナショナル・ジャパンの社長を長く勤められた吉越浩一郎氏は、コミュニケーションで最も大切なことは、情報を共有化して「判断のベースとなる『常識』が何なのかを、全員が共通認識として持つ」ことであり、「組織内の常識レベルを高める」ことがリーダーの責任であると指摘されています(『デッドライン仕事術』)。(P.188)

こういった全員が共通認識として持つ、というのはグローバル企業で、経営陣が様々な母国、文化等を持っている場合、さらに難しい気がしますが、一方で、ますます重要になってくるのではないかと思います。



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ソフトバンク 新30年ビジョン
ソフトバンク 新30年ビジョンソフトバンク 新30年ビジョン制作委員会

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内容紹介

情報革命で人々を幸せに
創業から30年、いくたびの困難を乗り越え連結営業利益5000億円を達成しようと
するところまで来たソフトバンクが、今後300年成長し続けるための
理念、ビジョン、そして戦略を明かす。
映像DVD特典
孫正義氏、自らが語る「これまでの僕の人生の中で、最も大切なスピーチ」完全収録!


「迷ったときほど遠くを見よ」。
創業30年を迎えたソフトバンクが、未来に向けてさらなる飛躍を目指すべく、
グループ社員2万人の1年間に及ぶ議論を経て打ち立てた「新30年ビジョン」。
2010年6月の株主総会の場で発表された孫正義社長のプレゼンテーションを完全テキスト化。
情報革命を推進することで人々の幸せに貢献し
「世界の人々から最も必要とされる企業グループ」を目指すという、
ソフトバンクの「志」の全貌を余すところなく伝える。

Prologue 2009年株主総会

◎理念 -Phirosophy-
情報革命で人々を幸せに
人生で最も悲しい事は、何だろう?
人生で最大の悲しみは孤独
人生で最も幸せを感じる事って何だろう?
これまでの30年、これからの30年

◎ビジョン -Vision-
300年成長のDNA
迷ったときほど遠くを見よ
300年前の世界
300年後の世界
人生最大のパラダイムシフト
脳型コンピュータ
学習するコンピュータ
知識と知恵、そして感情
超知性の実現
30年後の世界
クラウドを人生最大の資産にしたい

◎戦略 -Strategy-
事を成す
事業領域は変わらない
特定のテクノロジー 特定のビジネスにこだわらない
300年成長する企業へ
孫正義は何を発明したか
後継者を育てる
おばあちゃんの事
見知らぬ誰かのために

○新30年ビジョンの舞台裏 -The Making of Next 30-Year Vision-
エピソード1 ビジョンはどのようにして作られたか?
エピソード2 グループ2万人の志はこうして1つになった
エピソード3 プロジェクトを陰で支えたメンバーたち
エピソード4 未来まで受け継がれる孫正義の「経営哲学」


2010年6月の株主総会で発表された孫さんのプレゼンテーションが、テキストとDVDで収録されている本です。

MBAのストラテジーなんかで勉強する「理念 -Phirosophy-」「ビジョン -Vision-」「戦略 -Strategy-」が孫さん自身の言葉で語られているわけですが、とんでもないことを考えているんだなぁ、ということがよくわかります。

そして、とんでもなくスゴイコトをやったんだなぁ、と思いました。

というのは、社員全員がなんらかの形で、この新30年ビジョン作成に携わっており、そういった形で作り上げられたものだからこそ、全社員で共有され、その戦略が実際に実行される可能性が高くなるだろうと思われます。そして、この戦略策定プロセスを経て得られたものは、何らかのストラテジーというアウトプットのみならず、様々な戦略策定プロセスを経ることによって組織内でのコミュニケーションが取られ、理念、ビジョン、戦略が共有されることによって組織としてさらに強くなったのではないかと思います。

創業社長の強いリーダーシップがあるからこそ成し得る偉業なのかもしれません。

とにかくスゴイ、ハンパないです、、、


ちなみに、このプレゼンはソフトバンクのオフィシャルサイトでも見ることができます。まだ見ていない方はぜひ一度ご覧ください(約2時間です)。

http://www.softbank.co.jp/vision/



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ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件 (Hitotsubashi Business Review Books)
ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件 (Hitotsubashi Business Review Books)楠木 建

東洋経済新報社 2010-04-23
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目次

第1章 戦略は「ストーリー」
第2章 競争戦略の基本論理
第3章 静止画から動画へ
第4章 始まりはコンセプト
第5章 「キラーパス」を組み込む
第6章 戦略ストーリーを読解する
第7章 戦略ストーリーの「骨法10カ条」


楠木 建
くすのき けん

一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授。 1964年東京生まれ。92年一橋大学大学院商学研究科博士課程修了。一橋大学商学部助教授および同イノベーション研究センター助教授などを経て、2010年より現職。専攻は競争戦略とイノベーション。

著書に、Dynamics of Knowledge, Corporate System and Innovation(共著、Springer)、Management of Technology and Innovation in Japan(共著、Springer)、Hitotsubashi on Knowledge Management(共著、John Wiley & Sons)、『知識とイノベーション』(共著、東洋経済新報社)などがある。

http://www.toyokeizai.net/shop/books/detail/BI/c05e3d5797cec931df134f77163c48f0/


MBAが終わってからというもの、経営学的な本はあまり読んでいなかったのですが、3ヶ月ほど前からちょっと仕事の種類が変わったので最近はまた読むようになりました。ということで、最近の経営書の中でベストセラーになっているという「ストーリーとしての競争戦略」を読んでみました。

この本では、競争の土俵(特定の業界)が決まっている場合にいかにして戦うかという競争戦略(Competitive Strategy)(もしくは、事業戦略(Business Strategy))にフォーカスして書かれています。

では、企業は何のために競争戦略を策定して、実行していくのか?

競争戦略の考え方では、「長期にわたって持続可能な利益」、戦略論の言葉でSSP(Sustainable Superior Profit: 持続可能な利益)を追求することが企業が目指すべきゴールであるとするようです。

そして、

WTP(Willing To Pay: 顧客が支払いたいと思う水準) - C(コスト) = P(利益)

で定義される利益を創出し続けるためには、競合よりも顧客が価値を認める製品やサービスを提供できるか、あるいは競合よりも低いコストで提供できるかのいずれかです。

本書ではこういった観点から、スターバックス、マブチモーター、デル、サウスウエスト航空、アマゾン、アスクル、スターバックス、ガリバーインターナショナルなどの事例を使って、いかにストーリーとして競争戦略が組み立てられているのかを説明しています。

一見、直感には反すると思われるようなことでも、ストーリー全体としていかに有機的に部分部分がつながり、最終的に優れた戦略になっているかがよくわかります。

こういう戦略を立案、実行し、それが結果に結びついたら、どれほど痛快なことでしょう。

そんな仕事をしてみたいものです。



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「残業ゼロ」の仕事力
吉越 浩一郎
4820717138


「早朝会議」「ノー残業デー」「がんばるタイム」などさまざまな仕組みを導入されて、19期連続の増収増益を達成されたトリンプの元社長 吉越浩一郎さんが書かれたものです。とても具体的に書かれていて、とても勉強になりました。

どちらかといえば、リーダーシップに関する本だと思います。


トヨタ自動車の「トヨタ生産方式」をご存知でしょう。
品質の悪い部品が流れてきたらすぐに組み立てラインを止めて、文字どおり「見える化」し、原因を徹底的に追究して再発を防止する、というのがこのシステムの特徴です。

生産ラインを止めるのですから、当然その間にコストが発生します。しかし、たとえコストがかかろうとも、そこで問題の根を断ち切ってしまえば、二度とその問題は起こりません。その結果、全体の精度はどんどん高まり、同時に効率化も進むので、結局は経済的なのです。P.17-18

ところが、なぜか日本のホワイトカラーはこうした「問題の原因追及」をきちんとやろうとしません。P.18

これはバランスの問題なのだと思います。短期的(一時的)に発生するコスト、長期的に発生するコスト、そのどちらを取るか。今やるのは面倒だからと、先延ばしにしてしまうとその後も継続的に問題が発生し続けてしまうので解決はできません。しかし、短期的には痛みが伴なったとしても、やってしまえば解決してしまうのですから、長期的にはその問題は発生しなくなります。このように長期的に考えられるかどうか、ってとても重要だと思います。

コストではなく、収益の面だとこの考え方は完全に逆になるのではないでしょうか。短期的にはすごく儲かるかもしれないけど、長期的には収益を生み続けられないビジネスモデルと、長期的継続的な収益を生み続けるビジネスモデル。どちらを構築していくか。


問題が起こったとき、最悪なのは、そのまま何もせず放置しておくことです。
時間がないとか、すぐには名案が浮かばないとか、放っておきたい理由はいろいろあるでしょう。でも、問題はおきっぱなしにしておくと、どんどん育ってしまう、という法則があるのです。 P.34

「風が吹いたら桶屋が儲かる」ではないですが、小さな問題であってもきちんと解決しておかないと、後々大きな問題となって跳ね返ってきてしまう、ということはあるんだと思います。一方で、ばかばかしいとか、つまらないとか思えるような仕事であっても一生懸命取り組むと、後々ひょんなところでその経験が活きてくることがある気がします。


基本はロジックを積み重ねて「理詰め」でものごとが決まっていくべき。
ただ、それだけだと人間関係がギスギスするので「義理・人情・浪花節(GNN)」で間をうめる。 P.39

両者のバランスが大切だということでしょう。


会議には、情報の共有化という重要な役目もあるからです。
 単に「結論はAだ」と伝えるだけでは、情報共有はできません。
「この問題に対し、A、B、C、D、Eという解決策が出され、こういう議論を経てAという結論に至った」という、そこに行き着くまでのプロセスを同じ場で共有することでようやく自分もその決定に参加した、という意識が生まれるのです。情報共有にはこの「プロセスの共有」が不可欠なのです。P.64

このプロセスの共有化というのは、新しい仕組みを導入する際などは非常に重要なことなんだと思います。新しい仕組みを制定するにあたって、自分もそのプロセスに一部であったとしても参加したか、まったく関わらなかったかで、その仕組みを受け入れるかどうかに対する態度がまるで変わってくるのではないでしょうか。


社内向けの会議に時間をかけて見栄えのいい資料を作るなどは愚の骨頂、そんな時間があれば本来の業務に専念したほうがいいに決まっています。社内向けの資料なんて、意味さえわかればいいのです。P.72

おっしゃるとおりだと思います。


それでも私の場合は、自分で納得してやるのですからまだいいですが、それを強制される社員はたまったものではないでしょう。人間は誰でも、慣れ親しんだやり方がいちばん楽だし、それに、自分のスタイルこそが正当であると信じ込んでいるのが普通です。無理やり変えようとすれば厳しい抵抗に会うのは火を見るより明らかです。P.98

社員が、残業はなくすべきという私の考え方を受け入れるか、それとも私が、残業はいいことなんだ、という社員の強固な思い込みの前に白旗を揚げるのか、根気比べの日々が半年以上続きました。P.103

具体的には、一人一回の残業につき、部署のボーナス原資が二万円減額されます。自分が罰金を払うだけなら、覚悟を決めて残業し、仕事をデッドラインに間に合わせたほうがいい、と殊勝に考える人も、自分の残業でほかの人まで被害を受けるとなると、なんとか時間内に終わらせようという気持ちになりますからこの効果は絶大です。P.108

「ノー残業デー」導入のために工夫された点が書かれています。最終的には根気比べなのだと思いますが、要は成功するまでやれば、何でも成功になるんですね。半年で済むのか、1年以上かかるのか、そこはわかりませんが、会社のために正しいことをやっているという信念があるのであれば、成功するまで継続して取り組んでいくことが重要なのだと思います。途中でやめるから失敗になるのだと。


大切なことは毎日仕事を終えた後の3時間あまりを、「自分の人生のために投資する」、と考えることです。P.112

どんなに親しい人が相手でも、二次会には行かない、と決めていました。なぜなら、私の場合、夜は八時間寝ないと翌日調子が出ないからです。二次会に行っていたら、大切な八時間睡眠が確保できませんからね。P.114

眠い目をこすりながらデスクに座っていても、何も仕事になりませんからね。だったら会社にいる時はできるだけ高い効率で働けるように体調をきちんと整えておくということが重要だと思います。そのためには、だらだら残業しないで早めに切り上げて、必要な睡眠をきっちり取らなければならないのでしょう。

ぼくは、最近はこの方向でがんばろうとしています。


要するに、「人事を尽くして天命を待っている」と思っているのは本人だけで、実際は人事を尽くさずに、ただ天命を待っている人が多い、それが日本の会社の実情なのです。 P.166

ぼくも、ただ天命を待ってしまっていたこともあるかもしれません。これでは生産的な仕事はできません。


ロサンゼルスに住んでいる知人の娘さんがいて、招待を受けてお宅を訪問した際のことです。彼女のアメリカ人のご主人が、「life for work(働くために生きる)」ではなく、「work for life(生きるために働く)」でなくてはならない、と力説していました。P.186

work for life の考え方でやっていこうと思います。人生いろいろと楽しまないと。


ちょっと長くなってしまいましたが、この本はオススメです。

社会起業家―社会責任ビジネスの新しい潮流 (岩波新書)
斎藤 槙
400430900X


著者自身が社会起業家であることもあって、社会起業家の生の声がよく伝わってきます。社会起業家に関して、とりあえず一冊読みたいという場合にはとてもよい本だと思います。


現代の社会起業家は、自分に与えられた人生を価値あるものにしたいと考えている人たちだ。「人生の意義」を土台に据えて、その上にさまざまな価値を築き上げ、その実現に向けて、積極的で主体的な生き方をしていこうとする。すこし大げさに言うと、「いったい何のために生きているのか」と自分の存在を見つめなおし、その問いに対する答えとして事業を起こしているのだ。 P.3

必ずしも事業を起こさなくとも、社会起業家的なメンタリティーを持って、人生を歩んでいきたいですよね。


環境にやさしいアウトドア衣料で知られるパタゴニアのイヴォン・シュイナード、地球上に住む六十億人のための食卓を用意することをテーマに、レストラン経営をするジュディ・ウィックス、障害者であってもなくても使えるバリアフリー商品の開発を進めた星川安之、倫理的な日本の企業調査を手がけるインテグレックスの秋山をねなどはみんな、市民の素朴な疑問に満足な答えを示してくれる事業だ。 P.65

こういった社会起業家の方々の活躍が紹介されています。CSRだけでなく、SRIの話も出てきます。


第二世代の社会起業家にとって、会社の成長率は経営の重要なポイントだ。もっと言えば、「会社を急に成長させすぎないこと」が大切である。売り上げと社会責任とのバランスを取ることが、大事な優先事項となっている。 P.117

CSRが最近は非常に注目されていることもあって、一般的な企業であってもこういった視点は重要になってきていると思います。売り上げだけでもだめだし、社会責任だけでもだめだし、その間のどのような位置でバランスを取るか、というのは企業によって異なってくるとは思いますが。

環境や社会問題に配慮した「グリーンMBA」と呼ばれるMBAプログラムや、MBA取得者の意識の変化などにも触れています。


私は、「悪」に関して少し違った考えを持っています。善いことをするチャンスや能力があるのに、それをしないことは、悪だと思うのです。悪は必ずしも能動的な行動というわけではなく、善の欠如も悪だと考えているのです。 P.148

それでもやはり、環境を破壊することは避けられない。そこで、「私たちは自分自身に税をかけることにしました」。売り上げの1%か税引前利益の10%のどちらか高いほうを、環境への投資に使うことにしたのだ。イヴォンはこれを、自主的な「地球税」と呼び、2002年に二百四十万ドル(約二億六千四百万円)を三百以上の団体に寄付した。 P.151

アメリカン・ドリームとは、自分の会社を持ち、できるだけ早く成長させて売却し、ゴルフコースに引退すること。ビジネスそのものが、製品になっているのです。短期的な帳簿では、従業員研修、社内育児施設、汚染物質管理、快適な職場環境などの長期投資は、すべてマイナス要因です。企業が利潤に魂を売りわたす時、家族の絆を崩壊させ、地球経済の長期的な健全性を損なう。使い捨てのビジネスという概念は、社会のすべての側面に持ち込まれるのです。 P.152

これらのコメントは、すべてパタゴニアのイヴォン・シュイナードによるものです。できるのにやらないというのは、やはり悪なんでしょう。どんな小さな事であっても、まずは敷居の低いことから少しでも社会貢献をしていきたいものです。


貧しい国では、子供は学校に行くより働いています。学校が無料でも、必要な本が買えないのです。そんななかで、巨大企業が進出してくる。そういった国でこそ、社会的な調査が必要なのです。たくさんの人が飢餓で苦しんでいます。十億の人が一日一ドル以下で暮らしているのです。彼らに、優先順位を与えるべきだと思います。 
アリス・テッパー・マーリン P.167

地球規模、人類全体としての視点を持った場合、プライオリティはどこに行くのでしょうか。日本国の日本国民といった立場とは、かなり見方が変わってくるのではないでしょうか。普段からいろいろな視点で物事を捉えていけるようになりたいものです。


社会起業家から教わった 生き方、働き方の極意

1 自分の好きなこと、楽しいことに夢中になろう。
2 いろいろな人と喜びや悩みや夢を分かち合おう。
3 効率を優先させない。何が大切かを見極める。
4 かわいい子には旅をさせよ。かわいい子だけでなく、自分がかわいい大人も旅に出よう。きっと名案が浮かぶから。
5 おかげさまの気持ちを忘れずにいよう。
6 あきらめるから失敗する。成功するまで頑張ろう。
7 人と競争するのではなく「協奏」しよう。
8 人生に無駄はない。一見、マイナスなことでもそこから何かが見えてくる。
9 人がどう思うかではなく、自分がどう思うかを大切にしよう。
10 たまには自分を褒めよう。

皆様にも元気が伝わりますように。そして生き方、働き方のヒントになりますように。 P.243

この著者も含めて、こういった社会起業家の方々が活躍している姿を見ると、元気をもらえる気がします。日常の小さな事で悩んでる場合ではないなぁ、と。

この本、オススメです。

社会起業家―「よい社会」をつくる人たち (PHP新書)
町田 洋次
4569613608

最近よく目にするようになった社会起業家(英語だとソーシャルアントレプレナー)に関する本を読んでみました。


デモスの報告書では、成功する社会起業家に共通する資質として、①リーダーシップがあること、②ストーリー・テラーであること、③「人」のマネジメントができること、④理想家でありオポチュニスト(ご都合主義者)であること、⑤アライアンス(同盟)の構築者であること、の五つが挙げられている。 P.39

この本、前半では”デモスの報告書”と呼ばれる、デモスというシンクタンクによる社会起業家に関する報告書の解説みたいな感じになっています。


最近のアメリカの社会事業において、主たる寄付金の担い手はテクノロジーで起業して成功した「シリコン・バレーのCEOたち」である。彼らは、おおらかで寄付金の使い道についても煩いことを言わなかった昔の金持ちとは違う。彼らは寄付を行う前に綿密な調査を行い、寄付の受け手にはアカウンタビリティと結果を厳しく要求する。 P.148

こういった視点は非常に重要だと思います。寄付したところで、本当に必要な人のところにきちんと届かなかったら意味ないですからね。


この本の根底に、「欧米は進んでいる。日本は遅れている。日本はまったくダメだ」みたいな雰囲気が漂っていて、本当にそうかなぁ、とちょっと思いました。

実は社会起業家についてはもう一冊読んだのですが、そちらの方がオススメです。それはまた後ほど。

スタバではグランデを買え! ―価格と生活の経済学
吉本 佳生
4478002290


以前から、物の値段って、一体何なんだろう、、、と思っていたのですが、この本はいろいろな観点からものの値段を説明してくれます。しかも、例がすべて身近なものなので非常にわかりやすいです。

取引コストという考え方がこの本で最初に説明されているですが、これは何かモノやサービスを購入するために必要となる時間や労力、心理的負担などです。

例えば、社会人になってから初めて一人暮らしを始めたのですが(会社の寮ですが)、某ビックカメラの広告を見てテレビとビデオのセットを買うために、朝の6時半頃からお店に並んだことがあります。しかし、残念ながらもう少しのところで、限定数に達してしまい購入することはできませんでした。これは本当に無駄骨に終わってしまったわけですが、実際に買えたとしたら、どれくらい安く買えたことになるのでしょうか。

詳細はあまり覚えていないのですが、通常の価格より15000円程度安く買えたとしましょう。すると、普段であればお店に行ってそのまま買えるところが、6時半から並んでいたわけですから、3時間半ほど余計に時間をかけていることになります(すでに買う機種は決まっていたとします)。つまり、自分の時間を3時間半ほど余計に使うことによって、15000円節約できたわけですから、時給に換算すると4285円に相当します。これと、普段の自分の時給を比べて、どちらが得なのか、考えましょう、といったものが取引コストの一例です。

もっとも、この3時間半の並んでいる間に本を読んでいれば、その3時間半はそれほど無駄にならない3時間半になるでしょうから(家とかで本を読むことに比べれば快適さはもちろん低下しますが)、15000円の節約を得るために支払った対価はかなり小さなものとなるでしょう。

ということで、


  • 自分の時給をある程度把握しておくこと

  • 同じ時間で2つ以上のことをすること


が自分の時間を有効に使う上で大切なポイントになるのではないかと思います。

ここで自分の時給というのは、ざっくりですが、例えば年収400万円の人であれば、「1日12時間働いていて、1ヶ月当たり20日働いている」と仮定すると、年間2880時間働いていることになるので、時給1389円と計算できます。年収700万円の人であれば、時給2430円となります(年収が異なれば、労働時間を異なる気がしますが、ここでは一定と仮定しています)。入社したての頃のぼく(もちろん、今もですが)は、時給換算したら4285円には遠く及ばない額だったので、当時のぼくの行動(試み)は成功していれば経済学的には合理的な行動だったと思われます(実際に購入するためには、あと30分早く行く必要があったかもしれません)。

それから、「同じ時間で2つ以上のことをする」という意味では、移動時が最もそのように使いやすい気がします。例えば、同じ1時間の通勤時間の人が2人いたとして、一人は次のような通勤パターンだったします。

  1. 家から最寄り駅 徒歩15分
  2. 電車で移動 15分
  3. 乗り換え 5分
  4. 電車で移動 10分
  5. 最寄り駅から会社 徒歩10分

また、別の人は次のようなパターンだったとします。

  1. 家から最寄り駅 徒歩5分
  2. 電車で移動 50分
  3. 最寄り駅から会社 徒歩5分

この場合、ぼくが好むのは後者のパターンです。前者の場合、まず徒歩の時間が25分と長くなっています。徒歩の時間は耳から何かを聞いて学習するという形では使えますが、本を読んだりするのは難しいですし、できることは限られてしまいます。一方、電車に乗っている時間は、座れたりすれば比較的自由に読書したり、何か聞いたり、仮眠したり、といろいろなことが可能です。つまり、電車に乗っている時間は必ずしも何かしなくちゃいけないというわけではありませんが、選択肢が広がるわけです(こんなことは誰もがご存知とは思いますが)。

そして、前者の場合、途中で乗り換えが含まれているため、電車の中で何かやり始めようとしたとしても、乗り換え時にいったん集中力が途切れてしまいます。電車の時間25分を効率的に使うのは難しいでしょう。一方、後者は連続した50分という時間が使えるので、時間を有効に使えるのではないでしょうか。もちろん電車が満員で何もすることができない(せいぜい、耳から何か聞くくらい)、という場合もあるでしょうが、通勤時間帯を多少ずらせばそれはある程度緩和されるでしょう。前者の場合、時間帯をずらそうが、そもそも有効に使いづらいパターンなので限界があります。

(理想は通勤時間ゼロですが、現実的には難しいでしょう。また、前者のパターンのいい点を挙げるとすれば、歩いている時間が長くなるので、健康面ではポジティブだということでしょうか。)


かなり話が脱線してしまいましたが、時間だけでも、お金だけでもなく、その両者のバランスを取りながら生活していくことが自分の人生を有意義に過ごすために重要なのではないかと思います。


本の話に戻りますが、「スタバではグランデを買え!」というタイトルを見て、実際に読むまではこのタイトルの意味が不思議でなりませんでした。というのは、日本では(この著者が仮定しているのは)

ショート、トール、グランデ

の3種類のようですが、こちらイギリスのスターバックスでは、

トール、グランデ、ベンティ

の3種類だからです。なぜ、著者は真ん中のサイズをを買えと言うんだろう?と不思議でした。しかし、実際に読んでみると著者の主張は、最も大きなサイズを買え、という話でした。

ちなみに、日本のスターバックスのウェブを見ると、現在は以下の4種類になっているようですね。

  • ショート(S) 240cc
  • トール(T) 360cc
  • グランデ(G) 480cc
  • ベンティ(V) 590cc

ということで、正しくは「スタバではベンティを買え! 」ということになるでしょうか。

ちなみに、日本でどうかは知りませんが、こちらのスターバックスではサンドイッチなどは持ち帰りの場合と、店内で食べる場合とで価格が異なるようになっています。店内で食べる場合は、食べる場所を含めたサービスを提供しているのでその分高くなっているのでしょう。でも、飲み物は同じ料金になっているような気がするのですが、、、不思議です(捨てなければならない紙カップの料金と、再利用可能なマグカップ+洗浄代+場所代のバランスで、同じになっているのでしょうか、、、)。

それにしても、トールが最も小さいサイズって、感覚的によくわからないのは、ぼくだけでしょうか、、、
さらに、ベンティって何語で、どんな意味なんでしょうかね、、、

イスラム金融入門
吉田 悦章
4492443436

最近イスラム金融がかなり注目を集めていますが、個人的にも興味があったので読んでみました。他の類書は読んでいないのでなんとも言えませんが、イスラム金融の全体像を掴むには非常に良い本だと思います。最後に関連ウェブサイトのリンク集などもついているので、これを手始めに情報を集めるという意味においては役立つ本だと思います。


イスラム金融を最も端的に表すと、「イスラムの教義に適った金融」と定義することができる。 P.16

①金利という概念を用いない
②当該金融取引の関連する事業につき、シャリアに反するものは排除される
豚肉やアルコール、賭博、武器、ポルノといった事業と関係を持つことを禁止するもの P.17

イスラム金融は、「シャリア・ボードによってシャリア適格であるとのお墨付きを与えられた金融取引」と表現することもできる。 P.18

イスラム金融を簡単に説明すると上記のような説明になるようです。


イスラム金融が急成長を遂げている要因
①「オイルマネー」の影響
②イスラム社会固有の事情
1)信仰心を高めている→金融取引において宗教的要素の高まり
2)イスラム圏の高い人口増加率、北米などを含めイスラム教への改宗→ムスリム人口の増加
③イスラム金融が一般の金融に比して経済合理性がある場合も少なくなく、この点が非ムスリムを中心としたイスラム金融利用の拡大に影響
④イスラム金融業における供給面での整備の進展

オイルマネー以外にも、様々な事情によって市場の急成長が今後も見込まれているようです。潜在的な市場規模は4兆ドル程度で、現在はその1~2割程度だそうです。2020年くらいまでに、4兆ドル程度になるのであればかなりの成長率ですね。


シャリアが禁じるのは、資金対資金の異時点間取引の交換レートとして利子を用いることである。利子と呼ぶ部分はないにせよ、イスラム金融には、金融取引全体でみれば利子に相当するような部分があることが多い。 P.49

資金対資金の取引における上乗せ部分はリバー(利子)とみなされシャリア不適格となるが、商品取引や事業活動など実体を伴う取引を内包させることにより、リバーを伴わない、シャリア適格な金融取引が可能となる。 P.50

金利を禁止するとは言うものの、表面的には禁止しているように見えても、実質的には別の形で同様の効果をもたらす取引になっているようです。


取引の基本概念
①ムラバハ
ムラバハは、商品等の取引において、商品の買い手と売り手の間に銀行が介在して、売買を代行しつつ金融機能を果たすスキームである。 P.52

②ムダラバ
ムダラバは、出資者の資金をまとめ、事業家(運用者)が資金を投資・運用することで利潤を上げ、それを配当として出資者に還流するスキームである。 P.56

③ムシャラカ
ムシャラカは、共同出資のスキームである。一般金融における例を挙げれば、ベンチャーファンドによる出資に近いとみることもできるだろう。 P.58

④イスティナ
工業製品調達や建設プロジェクトなどにおいて、製品や建設案件に関する詳細指図を踏まえつつ、銀行の顧客である発注者に代わって銀行が業者に先払いする金融取引である。 P.61

⑤イジャラ
イジャラは、一般の金融でいうリースとほぼ同じ取引である。 P.63

いろいろありますね。こういう単語って、英単語以上に覚えにくい気がします、、、

成功はゴミ箱の中に―レイ・クロック自伝 世界一、億万長者を生んだ男-マクドナルド創業者 (PRESIDENT BOOKS)
レイ A.クロック ロバート・アンダーソン 野崎 稚恵
4833418452

マクドナルドの創業者、レイ・クロックさんの自伝です。52歳で起業し、マクドナルドを大きく成長させていく過程が詳しく書かれています。


「未熟でいるうちは成長できる。成熟した途端、腐敗が始まる。」 16

奢れる者久しからず、ということですね。人間に共通する不変の真理なんでしょうね。


良き管理者は不正行為を嫌う。部下が誠実に働きつつも、時に犯してしまうミスならば許容できる。しかし不正行為には強い意志で処置を取るべきだ。 111

人には取るに足りないように思えることの一つひとつが、私には見逃せない重大なミスだった。 129

「我々を成長させたのは、ビジネスに対する厳しい倫理観」と強調した。 238

他人がいくら儲かるかなど気にしたことはない。私が気にすることは、それがマクドナルドにとって正しい判断かどうかだけだ。 251

マクドナルドは人間によるサービスが売り物で、オーダーを取るカウンターの店員の笑顔が我々の大切なイメージなのだ。 282

自分のベストを尽くして負けたときでない限り、試合に負けることは罪である 298


やってよい間違いとやってはいけない間違いがあるのだと思います。ここを外してはいけない、というポイントがあるのだと思います。こういったことをメンバー全員がきちんと認識できているのであれば、強い組織なのかもしれません。


品質を保つため、すべての過程において作業は標準化されなくてはならず、クルーは全員、同じ教育を受ける必要があるというのに。
こうした基本的なルールが成功を約束するのであって、よほど辺鄙な地、あるいはよほどの例外でもない限り、全うされるべき公約だったのだ。食料品店の店員や、軍隊出身者、その道のプロフェッショナルなど、様々なキャリアを持った人々がマクドナルドへやってきたが、このような基本原則はおざなりになりがちで、何度も繰り返し言い続けなければならなかった。 145

「競争相手のすべてを知りたければゴミ箱の中を調べればいい。知りたいものは全部転がっている」
私が深夜二時に競争相手のゴミ箱を漁って、前日に肉を何箱、パンをどれだけ消費したのか調べたことは一度や二度ではない。 182

彼はフライドポテトが好きだが、一袋では少なすぎ、二袋では多すぎると言い、我々は対策を考えていた。すると彼が、家にいちばん近いシカゴの店で、ラージサイズの提供を始めてみたらどうかと提案し、我々はそのアイデアを即座に取り入れた。 277

やり遂げろーーこの世界で継続ほど価値のあるものはない。才能は違うーー才能があっても失敗している人はたくさんいる。天才も違うーー恵まれなかった天才はことわざになるほどこの世にいる。教育も違うーー世界には教育を受けた落伍者があふれている。信念と継続だけが全能である。 321


地道なことの積み重ねが一番大事で、一番難しいのかもしれません。


「ばか野郎!景気の悪いときにこそ建てるんだ!なぜ景気が上向きになるのを待たねばならない?そんなことをしていたらいまよりずっと金がかかるようになる。土地が買うに値するなら、すぐに建物を建て、ライバルより先に店を開くんだ。金と活気を注ぎ込めば、町はマクドナルドを覚えてくれる」と叫んだ。 246

私は思考のスケールが小さいと、その人自身も小さいままで終わってしまうと思っている。 274
思考のスケールを大きくするのにお金はかかりません。すぐにでも取り組めます。

この本には、「特別対談 孫正義 vs 柳井正」という章がついています。お二方とも、レイ・クロックさん、そしての藤田田さんの経営から学ばれたことが多いようです。

「Be daring(勇気を持って), Be first(誰よりも先に), Be different(人と違ったことをする)」 340

役員会や社内会議でよくありがちなのは肩書きが上の人の意見が通ってしまうこと。ある意見に対して、正しい、間違っているという判断でなく、「これは社長の意見だから、あれは部長が言ったことだから」と通してしまうと、誰も意見を言わなくなる。新入社員の発言でも、それが正しいことならば会議を通るという体質にしておかないと、会社は成長していきません。 351 (孫正義)

小売りや製造業は農耕民族みたいな性格があるかもしれません。対してインターネットの世界は狩猟民族的なところがある。ある日、突然、パソコン一台を方から提げてきた若者が業界を席巻することもありうるのです。だから、私としては常にフィールドを眺めてチャンスの芽を探しておかなくてはならない。チャンスを見つけたら素早く飛びかかって事業にする。レーダーで探査していないと、一瞬のうちに抜き去られてしまう業界です。 352 (孫正義)

正しいと思ったことは堂々と意見を言っていきたいものです。そういう環境作り、仕組み作りって難しいけど、非常に重要だと思います。それから、農耕民族的なビジネスか、狩猟民族的なビジネスか、これを理解していないと、どんなに努力してもなかなか結果がついてこないのかもしれません。おおもとの所での間違いは絶対に避けなければなりません。


さらに、「レイ・クロックの金言、私はこう読む 柳井正」という章もついていて、柳井正さんご自身の経験、考えを知ることができます。

「ひょっとしたら自分の仕事は失敗の範疇に属するのではないか、いまやっていることよりもさらにいい方法があるのではないか」と常に自らに語りかけながら仕事をしていかないと進歩も成長もありません。自分が達成した少しの成功に甘んじていたらそこでおしまい。 361

僕も一応は原理原則だと知っていました。けれども本当の意味では、この原理原則を「わかっていなかった」。わかるというのは身に沁みることです。自分で体験して、これが原理原則なんだなと実感しない限り、その後の行動指針にはなりません。 361

僕は座右の銘を教えてくれと頼まれたとき、こんなことを書きます。
「店は客のためにあり、店員とともに栄える。店主とともに滅ぶ」 364

ただ、会社のオーナーは一人の後継者を作るだけではいけない。社内に経営者のチームを育てなければならない。組織や仕組みで会社が成長を続けていけるようにする。一人の優秀な経営者を待ち望むよりも組織自体を確実にするほうが正しいように思います。 373

僕は競争相手に勝とうとするのならば同じ土俵に上がっては駄目だと思っています。自分だけのポジションを新しくつくること。そこを大きく伸ばしていくしかない。 380


レイ・クロックさんの自伝に加えて、柳井正さん、孫正義さんというお二人の解説がついていると言うのは、この日本語版の本の価値を高めていると思います。一流の経営者の方の思考の一端に触れることができるわけですから。

あらすじで読む 世界のビジネス名著
グローバルタスクフォース
489346857X


世界のMBAカリキュラムで定番とされているようなビジネス名著28冊に関して、どんな内容かを簡単に説明した本です。

「こういった本で手軽に読んでしまおう」なんて考えていると、この本に対して満足はできないと思いますが、「自分に役立ちそうな何かおもしろい本はないかな」と本を探す手がかりとして使うぶんには、OKかな、という気がします。また、逆にMBAで勉強する知識を身に付けたいということであれば、ここに掲載されている本を読み込むことによってかなりはカバーできると思います(もちろん、海外MBA留学で得られるものは知識以外にも様々なものがあると思うので、それはまた次元の違う話だと思いますが)。

ちなみに、ここで取り上げられている28冊中、10冊が手元にありました。必ずしも全部読んでいないのですが。

いつか読む日が来るのでしょうか。読書って、読みたい時に読みたい本を読んだ方が理解度というか、吸収度が高いですよね。読みたくなったら、読むことにします。

Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2007年 11月号 [雑誌]
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以前、2006年 11月号については書きましたが、今回は2007年 11月号です。実は最近、定期購読を始めました。

昨年の11月号では「偉大なる経営論」というタイトルでマネジメント理論が紹介されていましたが、今回は「企業編」ということで事例が紹介されています。4つのPARTに分かれて、それぞれテーマ別に分類されています。

PART I リーダーの仕事は変革である

PART II 組織は戦略に従う

PART III 革新に限界はない

PART IV グッド・ピープル・カンパニーを創造する

GE、IBM、P&G、ウォルマート、トヨタ自動車などの超有名企業から、一般の人にはより馴染みがあるリーバイ・ストラウス、ナイキ、ザラ、(そして個人的には)シルク・ドゥ・ソレイユなどの事例が紹介されています。またMBAの勉強を始めてからしばしば出てくるセムコも含まれています。

つい一週間ほど前にも、「従業員を大切にする企業」というタイトルのエントリを書きましたが、コーポレートレピュテーションの授業を取っていることもあって、最近はこのあたりのテーマに少し興味を持っています。

今回のハーバード・ビジネス・レビューのPART IVに紹介されていた(MBA的には有名な?)サウスウエスト航空の例についてご紹介してみます。一般的には「顧客第一主義」を掲げる企業が多いと思いますが、この企業は「従業員満足度第一主義」「顧客第二主義」を掲げています。


成功していない企業は「コストをコントロールすること」と、「ケチること」との違いを理解していません。

我々は、「腐ったリンゴ」(箱のなかに、腐ったリンゴが一つ混じっているとほかのリンゴも腐ってくる)という考え方を信じています。

我々が求めているのは、「職を探している人」ではなく「理想を探している人」です。

たいていの労働争議は、本当は金をめぐるものではなく別のもの、つまり敬意を問題にしているのです。

Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2007年 11月号
PART IV サウスウエスト航空 従業員に投資する経営 より


なるほどぉ、、、と思ったのはぼくだけでしょうか。

リッツ・カールトンが大切にする サービスを超える瞬間
高野 登
4761262788


リッツ・カールトンには一度も泊まったことがありませんが、こういう本を読んでしまうとぜひ一度泊まってみたいなぁ、と思います。でも、相当なお値段なんでしょうね。

それはさておき、いかにお客様のことを第一に考え、お客様のニーズを満たすためにはどうするべきかを徹底的に考えている様子がわかります。そして、それを実行しやすいような環境をきちんと整えているようです。


私たちはいつもお客さまに幸せな気持ちになっていただきたいわけですから、たとえレストランを開けるのが物理的に不可能であっても、たんにお断りするのではなく、他に選択肢を考えるのがプロとしての腕の見せ所なのです。 P.22

大切なのは、お客様にとって一番良い解決方法は何なのかと考えたときに、躊躇なく最善の方法が選べる環境を整えること。二千ドルの決裁権は、そのために与えられたものです。 P.125


たまに(しばしば?)、問答無用で「それは無理です」とか、「そのような対応はできません」とか、いった対応をされるところがあります(特にUKには多い気がします)。そういうことではないんですよね。

 

クレドとはリッツ・カールトンの理念や使命、サービス哲学を凝縮した不変の価値観であり、時流や地域性に左右される性質のものではないのです。
 よく誤解されているのですが、クレドはマニュアルではありません。マニュアルは従業員の言語や文化的背景、あるいは教育レベルが多様化しているアメリカ社会で発達したもので、いうなれば頭で理解させて守らせるルールです。
 一方、クレドは心で納得して実践するものです。同じ感性と価値を共有した人が本当に心からクレドに納得していれば、マニュアルのように細かい決まりを定めなくても、自然に同じ振る舞いができるというのがクレドの基本的な考え方です。 P.45

 クレドは「感性の羅針盤」のようなものです。現場で問題に直面したときや、お客様のさまざまなライフステージに立ち会うときなどに、その従業員の行動指針がクレドカードを読み解くことによって示されるのです。さらにその感性を全従業員が共有することで、ぶれない方向性が保たれます。 P.69


有名なクレドに関する説明です。この全従業員で共有するというのが、本当に難しいんだと思います。でも、それを達成している企業というのはむちゃくちゃ強いんでしょうね。

あとで本人がメモを受け取ったときに感じる喜びは、口頭で伝え聞いたとき以上のものがあるはずです。 P.81
「ありがとう」のメッセージを口頭ではなく、あえて紙に書くようにしているそうです。こういったことをルール化しているんですね。
初代社長のシュルツィは、ことあるごとにこう言っていました。 「感動を偶然や個人の能力だけに頼ってはいけない。サービスは科学なのだから」 これは、感動は同じ価値観によって支えられ仕組みによって生み出されるべきで、運がよければ感動を体験できるという状況ではいけないという意味です。 P.113
個人に左右されるのではなく、いかにそういった仕組みを作っていけるかが重要だと。なるほど。
企業が犯す最大の罪は、従業員にビジョンなき仕事をさせることだ、とはリッツ・カールトンの創立者、ホルスト・シュルツィの言葉です。 P.153
今の年収の五パーセントを投資するというのは、現在のキャリアを維持するために必要な投資。それに対して自分自身を磨き、より高みの成功に導くためには、まず目指す収入目標を明確にすること。いまの年収五百万円を倍にすると決めたら、一千万円の五パーセントである五十万円を自分の成長のために、今投資をするということなのです。 P.167

この本、いろいろと参考になりました。

[新装版]商いの道 経営の原点を考える
伊藤 雅俊
4569641091

イトーヨーカドーの創業者である伊藤雅俊さんが書かれた本です。タイトル、サブタイトルの通り、商いをしていく上で何が大切か、どんなことに気をつけていくべきかが書かれています。

最近、あえてMBAっぽくない、ビジネス書(および類するもの)を読むようにしているのですが、大切なことって誰もが異口同音におっしゃられているような気がします。


では、「その秘訣は?」と問われますと、「お客様とお取引先を大切にする」「嘘をつかない」「感謝の心を忘れない」といった、商いというよりも、人間としての基本を毎日毎日飽きずに繰り返してきただけと申し上げる以外にないのです。 P.8 

今の世の中、人としての当たり前のことや商いとしての基本があまりにも忘れられている、そう痛感しているからです。 P.8

社会全体が平和で落ちついている時、また皆が浮かれている時、その時こそ、来るべき次の波を覚悟して真摯に生きることが大切ではないかと思うのです。 P.29

店が暇な時こそ、いつお客様がいらしても対応できる体制を整えていなさいというのです。まだお見えにならないお客様のことを考えておくのが商人だというのです。 P.50

「少し位」とか「今回だけは」などと言って、誠実さを忘れ、自分に言い訳をする癖がつきますと、それが積み重なって、いずれ信用を失ってしまいます。 P.69
「見えているお客さま」の声にとらわれすぎて、「見えていないお客さま」の声を聞く創意と工夫を忘れてしまわないことを、現場の責任者は常に戒めておかなければならないのです。 P.142
会社にとって、一番大切な財産は、資産ではなく、売上げでもなく、実は人さまとの関係なのだ P.249

こういうことって、MBAのプログラムでは勉強していないような気がします。それとも、聞き漏らした、、、か?

ビジネス法則をさらっと復習するにはいい本なのかな、と思い読んでみたのですが、正直ハズレでした。


ビジネス法則の落とし穴 (学研新書 10)
東谷 暁
405403456X


例えば、80対20の法則がどのくらい厳密に成立するのか、などを歴史的な経緯を中心に論じています。ぼくはビジネス法則というのは、人を扱う以上、厳密に成立するものなんてないと思っています。そういう意味では、そもそも80対20の法則が厳密に成り立つとか、成り立たないとか、そういう議論はあまり意味がないと考えています。おおまかな傾向が捉えられればそれでいいのではないでしょうか。

大学時代、物理の実験でいろいろと測定をやっていましたが、自然科学における法則というのは(パラダイム転換があるにせよ)厳密に成立すると考えられているものです。例えば、実験で得られたデータから相関係数を計算したら、0.99,,,というのはほとんど当たり前の世界です(測定誤差は考慮する必要がありますが)。一方、社会科学のリサーチなどでは、相関係数が0.5とかその程度あればけっこう高い方だという話を聞いたことがあります。相関係数0.5程度でもって、なんらかの関係がありそうだ、と論じるわけです。人を扱う以上、これは避けられないことだと思います。

例えば、この本にも載っている「マズローの欲求五段階説」などは、一般的にそういう傾向があるのかもしれませんが、全人類に対して成立すると考えている人はどれほどいるでしょうか。おおまかな指針として利用するには有用だと思いますが、法則として成立するかどうかを、真面目に論じても仕方がないような気がします。


ということで、正直、それほど得るものはありませんでしたが、知らなかった法則もありました。例えば、次のランチェスター戦略です。

ランチェスター戦略

第一法則は、別名「一騎打ちの法則」といわれ、個々のメンバ-が個々に戦えば、経営資源の多い方が勝ち、その差は経営資源の差がそのまま反映されるというもの。第二法則は、別名を「集中効果の法則」といい、劣勢なとき全面的衝突は避けて一部に集中した方がいいというものだ。 P.66

ランチェスター戦略が、ビジネスに応用された古典的な例としては、西ドイツのフォルクスワーゲン社が、カナダに進出するさいのマーケティングが知られている。 P.68

どうしても興味があれば、という感じでしょうか。

昔から歴史は苦手で、それほど興味を持っていなかったのですが、上杉鷹山が以下のような人物であることを知って、これは読まねば!、と思い読んでみました。

アメリカのジョン・F・ケネディ大統領が生きていたころ、日本人記者団と会見して、 「あなたがもっとも尊敬する日本人は誰ですか」 と質問されたことがある。その時、ケネディは即座に、 「それはウエスギヨウザンです」 と答えたという。 P.14


上杉鷹山の経営学―危機を乗り切るリーダーの条件
童門 冬二
4569537626


おもしろいです。昔の藩の経営と、現代の会社の経営を比較しようと考えたことはありませんでしたが、ほとんど同じなんですね。同じと言うのは言い過ぎかもしれませんが、そのエッセンスの部分は相通ずるものがあると思いました。


「朝令暮改はけしからんとお前は言ったが、たしかにそういう解釈もあろう。しかし、私は誤って改むるに憚ることなかれ、という中国の古語を信じている。私は誤ったのだ。だからすぐそれを改めたい。憚らないわけではないが、さっきの決定は、禍根を残す。したがってやはり例外を作らないような方針で改革を実行したい」 P.95

「(略)改革を進めるのは、実に現場の人間たちである。その現場の人間たちに改革の趣旨や目的を説明しないで、何で改革を進めることができよう」 P.107

現場の人間をきちんと巻き込んで戦略を実行していくという話はブルー・オーシャン戦略にも出ていました。


鷹山の人間管理の原則は、
「してみせて、言って聞かせて、させてみる」
というものであった。何につけても理屈だけではない、よくその趣旨を説明し、趣旨を分かってもらったところで、今度は自分が実行してやってみせる、手本を見せてそれに従わせるというのが鷹山の方針であった。 P.129

鷹山のすごいところの一つは、何でも自らが直接してみせるところだと思います。そして、きちんと趣旨を説明する。こういったプロセスをきちんと積み重ねていくことがとても重要なんだと感じました。


「形式や外見に拘泥わって、用が無い時もあるように取り繕って、同役が顔を揃えておりますというようなことばかりが、従来この城でおこなわれてきた。これは人間の無駄であって、時間の無駄でもある。そして、使えば使える労力を、全く鈍らせている。人間は働かなくては生き甲斐を失う」 P.134

これなんかは官僚主義のひどい例であり、オペレーションの改善、従業員の意識の改革とみなすことができそうです。

どん底から這い上がる時に必要とされるリーダーの条件について、よく描かれた本だと思います。


話がそれますが、日本の歴史は長くカバーする内容が多いのかもしれませんが、けっこう突っ込んでその時代の様々な視点からの人間模様を勉強したら、もっと面白い科目になるような気がします。

ブルー・オーシャン戦略については、以前このブログでも触れましたが、やっと書籍版を読むことができました。


ブルー・オーシャン戦略は、血みどろの戦いが繰り広げられるレッド・オーシャンから抜け出すよう、企業にせまる。そのための手法は、競争のない市場空間を生み出して競争を無意味にする、というものである。縮小しがちな既存需要を分け合うのでもなく、競合他社との比較を行うのでもない。ブルー・オーシャン戦略は需要を押し上げて、競争から抜け出すことをねらいとする。(P.4)

数学の言葉で表現すると、線形変換することによって座標軸を全く別のものに変えてしまい、その新しい市場空間で顧客に付加価値を提供していく、といったイメージなのでしょうか(よけいわかりにくいかもしれませんが)。例えば、家庭用ゲーム機の例で言うと、ソニー、マイクロソフト、任天堂といった3強のプレイヤーがいたわけですが、ソニーは従来からの路線(次元)をひたすら極め、高性能なプロセッサを搭載し、グラフィックの精度を上げるという、従来の延長線上でプレーステーション3を開発し、市場に提供した。しかし、任天堂はWiiで今までとは違ったまったく新しい遊び方を提供し、一気に顧客層を拡大、これによって需要を押し上げることに成功した、と解釈することができるかと思います。同じ家庭用ゲーム機という括りととらえることも可能か知れませんが、両者の戦っている土俵は別物になってしまったのではないでしょうか。


一流企業として名を馳せる企業の多くは、繰り返し新しい市場空間を生み出して自己変革を進めてきた。その意味で、永遠のエクセレント・カンパニーはいまだかつて存在しないが、優れた戦略をたゆまず実行して、エクセレンスを保ちつづけるのは可能だといえる。(P.272)

ブルー・オーシャンを切り開いたとしてもすぐに競合他社が参入してくるので、いつまでも優位性を保つことは難しいようです。しかし、優良企業は、その都度新しい市場を創造していくことでエクセレンスを保ち続けていくのだ、と。


ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する (Harvard business school press)
W・チャン・キム レネ・モボルニュ 有賀 裕子
4270000708


本の構成としては、以下のような三部構成になっています。

第一部 ブルー・オーシャン戦略とは
第二部 ブルー・オーシャン戦略を策定する
第三部 ブルー・オーシャン戦略を実行する

策定するだけでなく、いかにして実行していくか、やはりこれが重要だと思います。


献身、信頼、自発的な協力などは、単なる姿勢や行動にとどまらない意味を持つ。これらは、いわば無形資本なのである。信頼感に突き動かされた人は、周囲の意図や行動を強く信じる。献身への意欲あふれる人は、自分の利益さえ犠牲にして会社のために努力しようとする。

 ブルー・オーシャン戦略を策定して、首尾よく実行した企業に尋ねてみるとよい。経営者たちは、成功を勝ち取る上でこの無形資本がいかに重要か、よどみなく語るだろう。(P.240)

いろいろなケースが取り上げられていますが、日本企業の例も多く、ソニーのウォークマン、ドコモのiモード、QBハウスの散髪、トヨタのレクサスなどが取り上げられていました。QBハウスが出てきたのには、少し驚きました。グローバルにどれほど知名度があるのか知りませんが、成功例として有名なんですかね。


ストラテジーを勉強する上で、現在においては必読の書であることは間違いないでしょう。


特に Harvard Business Review を定期購読しているわけではないのですが、この号だけは購入しました。

「偉大なる経営論」というタイトルで、マネジメント理論の戦略論と組織論を中心に各トピックがコンパクトにまとまっています。例えば、「ブルーオーシャン戦略」や、「ビジョナリー・カンパニーへの道」なども掲載されています。マネジメントの歴史なども掲載されており、MBAの授業で学んでいる各パーツを有機的につなげてくれる本だと思います。

この本だけで勉強するのは難しいと思いますが、一通りやった後に、復習として読むとお互いの関連などがとてもよくわかる気がします。

Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2006年 11月号 [雑誌]
B000ION7TE

ちなみに、アマゾンではおそらく新品を購入できませんが、ハーバード・ビジネス・レビューのページからであれば、まだバックナンバーとしてあると思います。

産業再生機構の専務取締役COOを務めた著者が、現代の日本におけるマネジメントの問題点を鋭く分析しています。

経営というのはMBAでやるような理論どおりにいくものではないと。なぜなら人間をマネージしていかなければならないからだ、と。

人間が真に客観的地平で物事を認識し合理的に行動することなどあり得ないのだ。だから人間を理解する努力、理解する修練、さらにはそういう人間に自分の思い、考えを理解してもらう努力と修練が極めて大事である。(P.4)


会社は頭から腐る―再生の修羅場で見た日本企業の課題
冨山 和彦
4478000700


MBAでマネジメントの基礎を一通り勉強した後にこの本を読んだことによって、勉強する前に読んだ場合と比べてより深く理解できた気がします。特に、MIBSで勉強したことって意外と役に立つ気がします。MIBSで勉強した知識そのものが正しいかどうか別として、マネジメントを考える場合にどのような視点で考えていくべきかという意味において。


今直面している仕事の方向と、個人的なインセンティブの方向が根本的に違えば、よほど「強い」人間でなければ仕事に身が入るはずがない。(P.13)

戦略は正解を用意してくれるものではなく、あくまで仮説である。この仮説があるからこそ、正しい検証が可能となる。(P.45)
統治機構に関する理念や哲学といった上位概念なしで、いきなりテクニックとして「委員会等設置会社にしました。これでガバナンスは働きます」などというのは、明らかな間違いだ。その意味では、日本のガバナンスに関する議論はまだ未熟である。(P.150)

各社それぞれの事情を考慮に入れず、あらゆる企業に対してガバナンスの唯一の最適解があるかのような議論をすることは間違いである、と。つまり、コンティンジェンシー理論の枠組みでガバナンスを考えるべきである、ということなのでしょう。


こうした人間(そもそも東京大学や慶應義塾大学を出ているような人間)に終身型の昇進システムを用意するのは、今や多くの産業分野で、弊害の方が大きい。インセンティブがどんどん内向きに閉塞していくからである。部長や取締役になるに従い、マーケットで戦えなくなっていく。本来、外に向かってパイを大きくしなければならないプロフェッショナルの役割が、パイの中の椅子の取り合いのゲームを始めてしまう。(P.163)

たまにやたら社内のポリティックスに詳しい人っていますよね。もちろん、出世するためには大切なことなのかもしれませんが、マーケットで戦っていくためには専門性を高めていくことの方が大事なんだと思います。


ビジネスというのは、本気で相手をつぶそうと思って競争するものである。(P.189)

歴史観、哲学観、志という人格要件が、今の日本のマネジメント教育、エリート教育にいちばん欠けている。(P.210)

このあたりは、何のために働くかに通じるものがある気がします。

ちょっと引用ばかりになってしまいましたが、この本はかなりオススメです。一読の価値は間違いなくあると思います。

人生、ビジネスに関する13の短い物語が収められています。


なぜ、エグゼクティブはゴルフをするのか?
パコ・ムーロ 坂東 智子
4777106535


ゆでガエルに相当する話であったり、組織がうまく動くためにはどのようなメンバーが必要か、といった話などが収められています。


今日のうちに第一歩を踏み出そうとしなければ、
この先、どこかに到達することはない。

やるべきことをきちんとしなかったために失敗するのは、 個人の責任であり、挽回できないエラーだ。 難しくて失敗するのはかまわないが、 かたくななせいで失敗してはいけない。


どこかで聞いたことがある話が多いような気もしますが、さらっと読めてしまうので、手軽に読める一冊ではあると思います。ここに書かれているようなことを普段から意識している人と、そうでない人は、働き方が違ってくるんだと思います。


ちなみに、この本、スペインでビジネス・ブック・オブ・ザ・イヤーにノミネートされたそうです。


この本とは直接関係ありませんが、参考までに、ゆでガエルに関する説明を見つけたので、引用しておきます。

熱いお湯にカエルを入れると驚いて飛び跳ねる。ところが常温の水にいれ、徐々に熱していくとその水温に慣れていく。そして熱湯になったときには、もはや跳躍する力を失い飛び上がることができずにゆで上がってしまうというのです。

私たちはこのゆで上がったカエルを笑うことはできません。ビジネス社会に生きる私たちも、慣れた環境に浸りすぎて変化に気づかず、変化だと察知できた時点では遅すぎて手が打てなくなってしまうことがよくあります。

この部分は以下のページからの引用です。
http://www.skg.co.jp/reports/bymonthly/words08.htm

レバレッジ・リーディングで紹介されていたTOPPOINTという月刊誌の定期購読を始めてみました。これは毎月発刊されるビジネス関連の新刊書の中からオススメの10冊(ただし、うち1冊はロングセラー)を選択して、4ページの概要にまとめて情報誌としているものです。

こんな便利なサービスがあるんですね。知りませんでした。

一般的なビジネス書とかも読んだ方が勉強にはなるんだろうなぁ、とか思いつつも会社で働いている時はなかなかそこまで読めていませんでした。でも、これなら概要だけを簡単に読むことができるので、本当に読む必要があると判断したものだけ購入して読めばよいので効率的な時間の使い方ができる気がします(レバレッジ時間術ですかね?)。

しかも、海外へも送料280円(英国の場合)で発送してくれます。これが、送料だけで1000円とかかかってしまうと、ちょっと躊躇してしまいかねないのですが、このくらいなら許容範囲です。


ちなみに、7月号の中で、ジム・ロジャーズの「娘に贈る12の言葉」という本が紹介されていました。その中で、4番目の言葉に「世界を自分で見ておいで」というのがありました。やはり世界を自分の目で見ることは大事なんですね。

英国に住み始めて1年ちょっとが経ちますが、日本に住んでいただけでは理解できなかったであろう日本と英国の違いみたいなものを肌で感じることができました。さらに、ヨーロッパのいくつかの国へ旅行に行ったことで、各国の違いをある程度知ると共に、海外から見られている日本というものも少し分かってきた気がします。自分の目で見ることの大切さをあらためて感じました。百聞は一見にしかず、ですね。


ちょっと話がそれてしまいましたが、TOPPOINTよさげです。

標準的な経済学の前提である、「人は合理的な計算や推論によって行動を決定する」というのは、間違っている、というのがこの本の主旨です。間違っているというのは少し言いすぎかもしれませんが、あまり現実的な前提ではないだろう、ということです。いかにして商品を売るかというマーケティングなどにはとても参考になる考え方だと思います。


行動経済学 経済は「感情」で動いている
友野 典男
4334033547


かなり具体例が多く取り上げられているのですが、例えば、次のようなものがありました。

問題1と問題1'のそれぞれについて、どちらの選択肢を選ぶか考えてみてください。

質問1

アメリカ政府が、600人は死ぬと予想されているきわめて珍しいアジアの病気を撲滅しようとしている。そのために2つのプログラムが考えられた。どちらがより望ましいか。見積もりは科学的に正確であるとする。次にあげた選択肢からどちらを選ぶか。

A:200人助かる

B:確率1/3で600人助かり、2/3で誰も助からない。


質問1'

(問題設定は同じ)

C:400人死ぬ

D:確率1/3で誰も死なず、2/3で600人死ぬ。

選択肢は、AとC、BとDで全く同じことを言っている(言い回しが違うだけ)ので、問題1でAを選んだ人は問題1'でCを、問題1でBを選んだ人は問題1'でDを選ぶのがコンシステントな回答になるわけですが、実際には問題1でAを選んだ人が72%、Bを選んだ人が28%、問題1'ではCを選んだ人が22%、Dを選んだ人が78%だったそうです。

これは問題が表現される方法によって、異なる判断選択が導かれる「フレーミング効果」の例だそうです。問題1では肯定的な表現が、問題1'では否定的な表現が使われています。

ちなみに、この例はビジネススクールの授業でも出てきたので、おそらく有名な例なのでしょう。


さらにもう一つだけ。

問題10

当日券が50ドルのコンサート会場でチケットを買おうとしたところ、50ドル札を失くしていたことに気づいた。50ドル出して当日券を買うか?

問題10'

前売り券を50ドルで買ってコンサートに行ったところ、このチケットを失くしたことに気づいた。当日券も50ドルで買えるが買うか?


この例では、「はい」と回答したのは、質問10では88%、質問10'では46%だったそうです。この違いはメンタルアカウンティングという考え方によって説明できるそうです。


このように小さなことに思えるかもしれませんが、ちょっとした表現の違いや心理的な認識の違いが人間の行動に大きく影響を与えるようです。なかなか興味深い本でした。

ただ、あまりやさしく書かれていると言う感じの本ではないので、さらっと読むのはしんどいかもしれません。

VCICというビジネススクールコンペティションの前に、タイトルだけ見て購入してみたのですが、今になってやっと読むことができました。


アントレプレナーの戦略思考技術―不確実性をビジネスチャンスに変える
リタ マグレイス イアン マクミラン Rita McGrath
4478373973


「起業家的マインドセット」というビジネス思考法について書かれています。不確実性というものを有利に捉えるためのビジネス思考法、ということですが、要するにいかにしてビジネスチャンスを見出し、ビジネスモデルを構築していくか、その際のフレームワークのようなものを提供しています。

例えば、製品・サービスの差別化のために「Q&A法による顧客行動分析」、「消費チェーン分析」を行い、市場セグメンテーションの見直しのために「アトリビューション・マトリックスの設計」を行う、など具体的な形でどのようにビジネスチャンスを見つけていくかといったステップが説明されています。

先日読んだ「戦略「脳」を鍛える」はどちらかというと発想のための思考ツールを紹介しているといったイメージでしたが、これらのツールを使いながら本書で紹介されているフレームワークに沿って考えていくと取り組みやすいのではないかと思いました。

著者の主張は、本文中で述べているように「企業戦略論と新規事業論との境界が段々とぼやけたものになってきている」ので、「今日の事業環境においては、(中略) 新しいビジネスモデルを次々と提案できるような起業家型の組織を創り出す必要がある」という点だと思います。そういう意味では、この日本語のタイトルは「アントレプレナー"の"」ではなく、「アントレプレナー"的"」の方が適切であると思いました。

つまり、大企業の中にいたとしても、新しいビジネスチャンスを見つけ、そこからいかにしてビジネスモデルを構築するか、そしてそれを実現するための組織を構築するためにはリーダーは何をしていかなければならないのか、こういった考え方が書かれている本です。

ストラテジー的な部分のみならず、インプリメンテーションの部分も書いてあるのでバランスが取れている本だと思います。

けっこう有名そうな本だったので、こちらも読んでみました。リアルオプションそのものを理解するという意味ではこちらの方が参考になりました。


決定版 リアル・オプション―戦略フレキシビリティと経営意思決定
トム コープランド ウラジミール アンティカロフ Tom Copeland
4492601074


「リアル・オプションとは」から始まって、「正味現在価値(NPV)、ディシジョン・ツリー、リアル・オプションの比較」、「単純オプションの数量化法」、「リアル・オプション評価のための4段階プロセス」などなど、基本的なことはほぼ網羅されていると思います。

そして、「ボラティリティの推計」などにも触れてあり、知りたいことが書いてあったという感じです。以前、コーポレートファイナンスの授業でリアル・オプションに触れた際、モンテカルロでボラティリティを推計するという話が出てきました。その時は、モンテカルロ使おうが、ボラティリティの推計は難しいはずだ、と思っていたのですがこの本を読んでその意味がはっきりしました(難しいことには変わりないのですが、、、)。つまり、リアル・オプションの原資産であるプロジェクトのボラティリティを算出するために、プロジェクトに影響を与えうる変数(例えばコモディティとしての金の価格など)についてモンテカルロでシミュレーションを行い、プロジェクトそのもののボラティリティを推計するようです(プロジェクトのNPVの分布を観測)。

でも、それって、個別の変数(金価格など)そのものの期待値とボラティリティ(および他変数との相関係数)は結局のところ、ヒストリカルデータだったり(過去と未来は同じなのか?)、マネジメントによる直感的な予測だったり(当たるのか?)に頼るわけで、それでいいのかなぁ、と正直感じてしまいます。NPVによる評価の最も弱い点は割引率の設定が難しい割には、割引率の影響を大きく受けるということだと思いますが、リアル・オプションの場合、その弱点から解放されたものの、今度はボラティリティの推計に頼る部分が大きく、こちらはこちらで実務的には容易ではない気がします。

しかしながら、NPVによる評価の場合、意思決定に柔軟性がなく相互排他的な選択肢の中から選ばなければならないという意味でプロジェクトを過小評価してしまう傾向にあるわけですが、リアル・オプションによる評価の場合、その柔軟性をバリューとして織り込んで評価するためにより現実的な評価になってくるものと思われます。

将来、リアル・オプションがNPV法に代わって意思決定の主流になるだろう、という著者の意見も納得できる気がします。

具体的なケースについても、けっこう詳しく述べられており、実務的な本としてそれなりに役に立つ気がします。リアル・オプションについて書かれた良書かもしれません。


ちなみに、先日エレクティブのリアルオプションについて、コースが始まる前の事前説明会みたいなものがありました。この科目はProf Dean Paxsonが担当されているのですが、以下のサイトに最新のトピックが掲載されていることを教えてもらいました。

http://www.realoptions.org/index.html

Real Options に関する国際会議で、Prof Dean Paxsonや、先日読んだ本の著者今井潤一先生も参加されているようです。興味のある方は参考にされるとよいと思います。

それから、コーポレートファイナンスで有名な以下の本のリアルオプションの章もよく書かれていると推薦されていました。

Corporate Finance with Student CD, Ethics in Finance PowerWeb and Standard & Poor
Richard A. Brealey Stewart C. Myers Franklin Allen
0071117997

早速読んでみました(正確には読み直してみた?)が、確かに分かりやすく書かれていました。ただ、内容的にはかなり限定的です。本格的にリアルオプションを勉強する場合は、やはり上記の本がベターだと思われます。

今学期はエレクティブでリアルオプションを選択したので、手始めに1冊読んでおこうと思って読んでみました。リアルオプションの本というより、リアルオプションに関連する計算方法を紹介した本という印象でした。


リアル・オプション―投資プロジェクト評価の工学的アプローチ
今井 潤一
4502374903


例えば、無裁定条件、完備市場、確率空間、伊藤の公式、幾何ブラウン運動、停止時などについての予備知識がないとこの本だけを読んでも全く理解できないものと思われます。(リアルオプションに対する意味での)ファイナンシャルオプションの評価理論に関する理解がないと、この本を理解するのはかなりしんどいでしょう。

また、リアルオプションの事例についてたくさん載っているわけでもないので、あくまでリアルオプションまわりの数学および計算手法について知りたい場合にはよいかと思います。しかしながら、数学的に細かく厳密に書いてある本と言うわけでもないので、その点には注意が必要です。

最後に「競争状況下でのリアル・オプション」というタイトルでゲーム理論の枠組みを導入して書いてあるので、考え方としては参考になるかと思います。ほとんどの企業は競争状況下にあると考えるのが妥当でしょうから。ただし、筆者も書いている通り、現状ではこのようなモデルは定性的な分析に留まっているようなので、実務的に利用することはまだ難しいようです。

少し数学的な側面が強すぎました。まあなんとなく分かってはいたのですが、ちょっとぼくのニーズとは合ってませんでした。

先々学期にストラテジー(戦略)を勉強し、もう少し具体的な例等について突っ込んでみたかったので買ってみました。

戦略「脳」を鍛える
御立 尚資
4492554955

「ポーターを読んだだけでは勝てる戦略はつくれない!」と帯に書いてあり、理論を勉強した後に読んだらいいかなぁ、と思ったのですが若干物足りなさを感じました(まあAmazonでカスタマーレビューとかを読んで買っているだけなので、想像していた内容と若干違っていたのですが)。

おそらく戦略を立案する際に考えるべきポイントのエッセンスを抽出してあるのだと思いますが、具体例がかなりシンプルです。個人的にはもう少し具体的な実例を元に、長期的な観点から戦略立案、実行、戦略変更、、、などの事例を勉強してみたかったですが、そのような目的には合わない本でした(立ち読みさえできていれば、買ってなかったのに、、、)。

もちろん例がシンプルであるため、とてもわかりやすく書かれています。また、コンサルタントの方であれば、これらは当たり前のように使えるようにならなければならない思考ツールなのだと思いますが、一般のビジネスマンの方であっても、このような思考法を知っておいて損することはないでしょう。

MBAでもそうですが、モデルやフレームワークといったようなものは、基本的なところでモレをなくす、という点においては非常に便利なツールだと思います。そういったものをベースに、いかに実践の状況に応じて考え、戦略を立案していくか、そこのところをもっと突っ込んで書いてあるとよかったなぁ、と思います(それがまさにコンサルタントの方の肝なのかもしれませんが)。

ベストセラーになった有名な本だと思いますが、今まで読んだことがなかったので読んでみました。会計の基本的な概念を平易な言葉でわかりやすく書いてあると思います。


さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学
山田 真哉
4334032915


すべて身近な例(さおだけ屋、スーパーマーケット、飲み会のワリカン、近所のフランス料理店など)で説明しているので、非常にわかりやすいと思います。

家計の決算書を作ってみよう、という話も載っており、企業の借金と家計の借金の考え方の違いなども載っていました。ファイナンシャルプランナーの言われるがままに従うのはやはり危険ですね。やはり基本的な知識を身に付けて、自分の頭で考えることが大切だと思います。

借方、貸方、みたいな意味不明な用語も出てこないので、いわゆる”会計”の本というよりも、ビジネスの仕組みを会計と関連付けて説明している本、といった方がよい気もします。いずれにしろ、ベストセラーになった理由もうなづけます。


それにしても、地元商店街にあるふとん屋さんとかって、どれほど儲かっているんでしょう?ふとん屋さんに限らず、洋服屋さんでもいいのですが、なんで潰れないのでしょうか。昔からの疑問です。

自分の行動パターンなり、友人とかの話を聞いても、地元商店街で買い物をふとんとか洋服を買う人ってほとんどいない気がします。世代の違いでしょうか、、、

洋服屋さんは、洋服を売るのみでなく仕立てもやっている?ふとん屋さんは、ふとんを売るのみでなく、、、地主さんで不動産経営をしているとか?

謎は深まるばかりです。一度月間の収支を見てみたいものです、、、

少し前ですが、ブックオフ社長橋本真由美の「最強の現場の創り方」の連載が終わってしまいました。

けっこう感動しました。泣けます。泣きました。

個人的には、ブックオフの100円コーナーはかなり利用させてもらっていました(残念ながら今は利用できる環境にありません)が、様々な試行錯誤の末に現在のブックオフがあるんですね。

どこの企業でも呼び方こそ違うものの、同じような社員教育制度、コミュニケーションの取り方があるものなんですね。いろいろな視点からこの連載はとても勉強になりました。

本が出版されるようですが、オンラインでもかなりの部分が読めると思います。

オススメです。


ちなみに、ブルー・オーシャン戦略の著者自らが任天堂の「Wii」について語っている記事もありました。
任天堂「Wii」を生んだ「ブルー・オーシャン戦略」とは?

マッキンゼー流 図解の技術に続いて、こちらも読んでみました。プレゼンテーションをするにあたって、理解しておくべきこと、プレゼンテーションをどのように組み立てるか、そしていかにプレゼンテーションを行うか、といったことが書かれています。


マッキンゼー流 プレゼンテーションの技術
ジーン・ゼラズニー 数江 良一 菅野 誠二
4492555277

章立ては以下の通りです。

第1章 状況を明確にする
第2章 プレゼンテーションを設計する
第3章 プレゼンテーションを実施する
まとめ プレゼンテーション・チェックリスト
付録 配布資料を効果的に利用する


”時間を削っても「時間内に終了」がベスト”、クライアントにとってネガティブな内容のプレゼンを行わなければならない場合にはどのように結論を提示するか、ストーリーボードの作り方、など参考になりました。

”ユーモアを真面目に使う”なども含まれていますが、日本語で行うのならともかく、英語でのプレゼンではとてもそこまでの余裕はありません。まずは基本的な設計の方法を学んで、それを忠実に実施できるようになりたいものです。

著者は長年にわたってマッキンゼーでビジュアル・コミュニケーション・ディレクターを務めていた人のようで、抑えるべきポイントが網羅されているといった印象があります。


先日、授業で Business Report の書き方を少し勉強しましたが、その時も Appearance と Content が重要である、と言っていました。ぼくは「見た目はともかく、中身さえあれば、、、」という発想になってしまいがちなのですが、やはりこういった見た目も非常に重要なのだと思います。

ちなみに、よくまわりの人からはもう少しいい服を買え、と言われます。Primark を卒業するべきか、、、

プレゼンテーションについて、ちょっと勉強してみたかったので、その第一歩として読んでみました。この本は、プレゼンテーションについての本ではなく、タイトルにあるとおり、「説得力があり、記憶に残る図表の作成方法」に関する本です。


マッキンゼー流図解の技術
ジーン ゼラズニー 数江 良一 管野 誠二
4492555226


チャートの作成手順としては、
1. あなたのメッセージを決める
2. 比較方法を決める
3. チャートフォームを選択する

という3つのステップに分かれるようです。

つまり、まず重要なのは、チャートを使って何を言いたいのか、という点です。例えば、売上高と利益をグラフにする場合、最も伝えたいのが、単純に売上高と利益が増加していることなのか、売上高利益率が改善していることなのか、A社とB社で比較しているのか、、、などのうちどれなのかをハッキリさせる。

そして、比較方法というのは、コンポーネント比較法、アイテム比較法、時系列比較法、頻度分布比較法、相関比較法という5つの基本比較法に分類されるようですが、どれを採用するか。

最後に、比較方法に応じて、パイチャート、バーチャート、コラムチャート、ラインチャート、ドットチャートの5つの基本チャートフォームから対応するものを使う、という手順のようです。


今まであまりグラフの種類をこだわるということはなく、たいていの場合、散布図および折れ線グラフを使っていました。しかし、この本を読むと、確かにチャートの種類を適切に選ぶことによって、より明確にメッセージが伝わる、ということがわかります。

図表の作成は、プレゼンテーションのみならず、レポート作成などの際にも役立つので、この手の本に一度目を通しておくとよいかもしれません。

またもや日本語の本ですが、読んでみました。ストラテジーの本です。

MBA経営戦略
グロービスマネジメントインスティテュート
4478372438

ストラテジーで有名なフレームワーク、

・BCG(ボストンコンサルティンググループ)のPPM(プロダクトポートフォリオマネジメント)
・GEのポートフォリオ
・アンゾフのマトリックス、アーカーのマトリックス
・マーケットライフサイクル
・SWOT(Strength, Weakness, Opportunities, Threats)分析
・ポーターの「5つの力」
・BCGのアドバンテージマトリックス
・バリューチェーン
・ポーターの3つの基本戦略
・マッキンゼーの「7つのS」

など、他にもいろいろ載ってました。そして、具体例(キヤノン、ソニー、自動車業界、キリンビールなどほとんどが日本企業)がけっこう詳しく載っていたので参考になりました。

このようなフレームワークのサマリーみたいなものは、比較的目にする機会が多いのですが、具体的にどのような感じで適用すればいいのか、という(実際のデータを伴う)詳細な具体例はなかなか目にする機会がありませんでした(今までのところ)。BCGのPPMを用いたキヤノンの分析やブリヂストンによるファイアストーン買収の例などはかなり参考になりました。

この本はそういう意味で参考になると思います。


そろそろテキストの予習もしなければ、、、

来学期の予習のつもりで、とりあえず日本語の本を読んでみました。

MBAオペレーション戦略
グロービス
4478373817

オペレーションに関する本を読むのは初めてなので他との比較ができませんが、サプライチェーンのみならず、CRM、調達、研究・開発、管理・スタッフ業務の5つのモジュールにわけて書かれており、オペレーション全般がよくカバーされている本だと思いました。

最初の方に、以下のような言葉がありました。

「A社の現場の一人ひとりは、よくがんばっていると思います。これは仕組みの問題ですよ」

どんなに一生懸命働いていたとしても、その方向性が間違っていたり、そもそもが非効率的な仕組みの中で働いていたら、結局はアウトプットにつながらないと思います。

でも、「そもそもこれっておかしくないですか?」とか、「この業務って、そもそもなんでこんなに時間を割かなければならないんでしたっけ?」といった観点を常に持っている人ってかなり少ない気がします。そして、数人が気付いたところで、目の前の業務フローを抜本的に、ゼロベースで変えていくというのはかなりのエネルギーを要する業務だと思います。トヨタなどのオペレーションに強いと言われる企業では、このような意識がトップから現場まで組織文化として根付いているそうですが、これは一歩一歩、長年の積み重ね以外の何ものでもありません。

この本では、オペレーション改革成功の鍵は、「オペレーションに対する経営のコミットメント」と「現場における粘り強い努力の積み重ね」だと言っていますが、こういう組織全体にわたる根底をなすようなものを変えていく、というのは規模が大きくなればなるほど本当に難しいと思います。

以下のコラムはよい例だと思います。
第77回「風土改革の壁を打ち壊せ」(2006/12/22)

管理会計という言葉はしばしば聞いていたものの、そもそもどういうことを指すのかいまいちわかっていなかったので読んでみました。大体のイメージをつかむためには手ごろな一冊だと思います。ただし、これは古い本なので、最近ではおそらくもっとよい本も出ていることでしょう。


図解 戦略経営のための管理会計入門
小宮 一慶
4492089802


管理会計と財務会計の違いに始まり、管理会計の基礎知識(ROA, ROE, 標準原価計算、損益分岐点分析など)、もう少し進んだ内容(ABC, ABM, バリューチェーン、DCFを使った事業評価、IRRとハードルレート、EVA)と、結構広範囲に渡って書いてある気がします。

その分、各項目についてそれほど詳しくは書いていないので、必要に応じてもっと詳しい本を読む必要がある感は否めません。管理会計の入門書といった感じでしょうか。

教科書的な本ばかり読んでいてもそれほど楽しくないので、ちょっと読んでみました。財務諸表(B/S、P/L、C/F)がどのような考え方を基に作成されているのか、がわかりやすく書いてありました。会計の知識が全くのゼロだとちょっと厳しいかもしれませんが、ぼくのように少し勉強したことあるけどいまいちわかった気になれない、といった初心者レベルの方には結構参考になる本だと思います。


実学入門 経営がみえる会計―目指せ!キャッシュフロー経営
田中 靖浩
4532147255


ビートルズの251曲の権利をマイケルジャクソンが購入した話や、社台グループが馬主の権利を小口化して販売している話、そしてマクドナルドの100円バーガーの話など具体例が多く盛り込まれているのでわかりやすく書いてあると思います。

やはり貸借対照表や損益計算書的な考え方を理解するのは非常に大切な気がします。特にバランスシートの考え方はロバートキヨサキ も著書で述べているように、個人の資産運用の際にも有用でしょうし、ローンを組んで不動産投資をする場合などもまさにこの考え方が重要になってきます。

会計の基本的な事柄は、会社の管理職でなくてもビジネスパーソンとして知っておくべき知識なのだと思います。ぼくももっと勉強しなければなりません。


相変わらずですが、手元にあったのは古い版なので、新しい以下の方がよいと思われます。おそらく最近の時価会計などについてより詳しい記述があるのでしょう(たぶん、、、)。

実学入門 経営がみえる会計―目指せ!キャッシュフロー経営
田中 靖浩
4532311500

クリティカルシンキング(なんかカタカナで書くとカッコ悪い気がするのはぼくだけでしょうか)についての本も読んでみました。いわゆる論理的思考力を身に付けるためのフレームワークを紹介している本といった感じでしょうか。

個人的には、前回のマーケティングの本と比べるとあまり新しい発見はなかったような気がしますが、知識の再確認という意味ではよかったような気がします。前回のマーケティングの本では、ケースが実在の企業だったために具体的でかなりわかりやすかった点もよかったです。


[新版] MBAクリティカル・シンキング
グロービス・マネジメント・インスティチュート
4478490449


内容としては、演繹法と帰納法、因果関係と相関関係などの論理展開や、MECE(ミッシー)やロジックツリーといった構造的アプローチについて書いてあります。


幅広く網羅的に書いている感が否めないので、MECE(ミッシー)やロジックツリーなどについて詳しく知りたい場合は、以下の本とかの方が参考になるとは思いました。


問題解決プロフェッショナル「思考と技術」
齋藤 嘉則
4478490228

マーケティングに関しては今まで一度も勉強したことがなかったので読んでみました。この本、かなりわかりやすく書かれている気がします(他にマーケティングの本を読んだことがないのでなんとも言えませんが)。

ぼくが読んだのは新版ではありませんが、それほど内容は変わらないのではないでしょうか。

新版MBAマーケティング
グロービス・マネジメント・インスティテュート
4478502471


この本の中でもしばしば指摘されているように、マーケティングというのは市場動向の調査とか、その手の活動を意味するものと、ぼくは勝手に勘違いしていました。

しかし、この本を読んで、マーケティングというものがどのような活動を意味するのかなんとなくわかったような気がします。ポジショニング、マーケティングミックス、プッシュ戦略/プル戦略などの用語についてある程度理解できたので、マーケティングの話題になってもチンプンカンプンということはなくなると思います。

マーケティングって、民間企業で利益を追求する立場にいる人にとっては誰もが知っておくべき知識であるような気がしました。ある程度、そういうことを認識ながら日々の業務に取り組むのと、とにかく目の前のことだけしか考えずに取り組むのでは長期的にビジネスパーソンとしてかなり差が出てくるような気がします。

金融業界にいると、製造業の方がどんなことを考えながら業務を行っているのか全くわかりません。ということで、少しは理解することができるかと思って、読んでみました。

ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か
エリヤフ ゴールドラット 三本木 亮
4478420408

TOC(Theory of Constraints = 制約条件の理論)の提唱者本人による小説で、本の帯に書いてある通り「読み進むうちに、TOCの原理が自然に頭に入る!」というのは本当だと思いました。工場でプロセスを改善しようといろいろと試行錯誤している様子や、子供の遠足に付き添ったときに、どのような要素が子供たちの列全体の進行のスピードを決定しているかを考えている様子などから、自然とTOCの考え方が理解できた気がします。

簡単に言うと、全体のプロセスの進行速度を決定付けるボトルネック(昔化学の勉強をした時に出てきた律速段階だと解釈しています)を見つけ、その直前において適切な在庫を保つことによって、最も効率的に利益を上げてゆくことができる、といった内容でしょうか(ちょっとはしょりすぎでしょうか?)。別の言い方をすれば、局所最適ではなく、全体最適を行う際にどのように考えていけばよいか、といったお話だと思います。

TOCについての詳しい説明は例えばTOC 制約理論のひろばのサイトなどに譲りますが、この考え方そのものはかなり応用力が高いのではないかという印象を受けました。

製造業に限らず、金融の世界でもいろいろと役に立つような気がします。実際の業務でもこのような考え方を応用していけたらよいと思いました。

「パクることは、立派な戦略だ!」と冒頭に書いてあります。

いろいろと「パクる技術」について書いてありますが、読んでみて結構参考になりました。いろいろなビジネスモデルがあるんだなぁ、と。

パクる技術
斎藤 広達
4777102475

印象的だったのは、アミノ酸飲料の市場です。パイオニア商品(斬新な商品ということでしょう)が発売されてヒットすると、すぐに似たような商品が次々と販売されていくわけです。そして、次々とまねっこで商品を投入するという戦略であったとしても、「最終的に生き残る保証はないが、すぐにパクり商品を投入することで、一定の売り上げと利益を稼げる市場構造なのである」そうです。

これを読んで、プライベートバンクにおける仕組債(デリバティブ商品など)も同じような市場構造だと思いました。どこか一社が斬新なプロダクトを投入すると、次々と競合他社が同じ商品(この場合、類似商品というよりも同じ商品です)を出していくわけです。そして、他社のまねっこのみだったとしても、一定の売り上げと利益を稼ぐことができると思われます。金融商品の場合、特許とか、ライセンスとか、その手のものを取得するっていう話はほとんど聞いたことないです。

他にも、”高級”の本質にこだわったレクサスの話や、無形資産づくりを強化しているスルガ銀行の話など、けっこう参考になる話が載っていました。いろいろな業界の「パクる技術」を概観するのにはよい本だと思います。

何をパクってみようかな?

ゲーム理論の基本定理、ゼロサム、ミニマックス戦略、囚人のジレンマ、ナッシュ均衡など、ゲーム理論の基本的な内容が数式を使わない形でとても分かりやすく書いてあります。

ゲーム理論トレーニング
逢沢 明
4761260785

野球、将棋、投資、ビジネスなどの例を取り上げながらゲーム理論の中心的な概念について書いてあります。ミニマックス戦略に関する説明を読んで、「麻雀で勝つ人は、最も大負けをしない人だ」という言葉を思い出しました。

ゲーム理論と言えば、大学の教養の時に囚人のジレンマについて勉強したのを覚えています。n人が割り勘でご飯を食べに行ったときに陥るのが、囚人のジレンマ状況だ、という話を聞いたのが印象的でした。全員が食べる量を抑えれば、各人の支払額は小さくなります。しかし、少しでも得をしようと自分だけたくさん食べよう、という戦略をとる人が現れた瞬間、他の人も追随し、結果的には一人当たりの支払額は増大してしまう、という話です。もっともこの場合は支払額に応じて、それぞれたくさん食べてるわけですから、必ずしも「囚人のジレンマ」状況とは言えないような気もしますが。

読みやすい本だったので、昨日から読み始めてもう読み終わってしまいました。やさしく概念を説明してある本って大事ですよね。いきなり数式をバリバリ使われてもわからないですから。株式投資でいかに損切りが大切か、とか、TOBを使ってうまく企業買収を進める方法など、けっこう身近な内容が多かったのも読みやすかった理由かもしれません。

すでに行くことは決まっていますが、今更ながら読んでみました。

MBAは本当に役に立つのか
MBAバリュエーションプロジェクト
4492531491

「MBAホルダーの実態-プラスイメージに対して」
英語力が飛躍的に進歩することはあり得ない
なかなか世界中に人脈は広がらない

他にもいろいろと厳しい実態が書かれていました。ケロッグ出身の方が書かれたものであり、すべてのビジネススクールにあてはまるかどうかは分かりませんが、MBAというとどうしてもイメージが先行してしまって、「実際のところどうなのよ?」というのがなかなかわからないと思います。

この本を読んで少しわかったような気にはなりましたが、「百聞は一見にしかず」だと思いますので、ぼくが夏以降、実際に体験した事をここではできるだけ書いていきたいと思います。

せっかく会社から頂いたチャンスですから、悔いのないMBA生活を送って来たいと考えています。

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