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銀行とのつきあい方 銀行がホイホイお金を貸したくなる社長になる方法!
川北英貴
4883998029


元銀行員の方が書かれた、中小企業向け融資に関する本です。

中小企業に融資を行う際に、銀行員の方がどのような視点でその企業を判断し、そしてどのように審査されて最終的に融資実行が判断されるのか、かなり具体的に書かれています。

やはり実際に行っていた方が書かれた本だと、具体的で説得力があります。

そしてそのような銀行側の融資に対する考え方や取り組み方を理解しておけば、融資を受ける側の立場としてどのように銀行と接していけばよいのか、自然と理解することができます。

簡潔にまとめると、小手先のテクニックではなく、要はビジネスをしっかり行って黒字を確保し、決算内容を包み隠さず開示し、今後のビジネスの予測、リスクなども含めて、できるだけ数字ベースで具体的に説明することが重要なようです。

考えてみれば当たり前のことだと思いますが、銀行としては融資を行って利子を取ることによって収益を生んでいるわけですが、融資先のビジネスがうまくいっている限りにおいては回収リスクも低いわけで、その回収リスクを銀行側が不透明感なく、自信もって判断できる材料を提供していくことが重要なのではないかと思います。

不動産投資の場合の収益は、基本的には家賃収入のみですが、その家賃収入が過去どの程度取れていて、今後どの程度とれそうなのか、データに裏付けされた形できちんと説明することが重要なのではないかと思いました。

銀行側の考え方を理解するという意味では、とても参考になる1冊だと思います。


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すべての経済はバブルに通じる (光文社新書 363) (光文社新書)
小幡績
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バブルの仕組みについて書かれている本だと思って読んでみたのですが、正直期待外れでした。

最初の3章くらいは証券化やサブプライムローンについて書かれており、証券化によってリスクが変質することや、商品化によって買い手が増えることなどが書かれており、あまり見ない視点で書かれていたのでけっこういい本かなぁ、と思っていました。特に、「資本と頭脳の分離」という言葉で、資金の出し手と、その運用者の関係について書いているところは、まさにその通りだなぁ、と思います。

資本と頭脳が分離すると、頭脳たるプロの運用者は、頭ではわかっていても、顧客である投資家の将来の行動(すなわちここでは資金の引き揚げの可能性)に制約され、取るべきでないリスクを取ってしまうという罠に陥る。 (P.96)

サブプライムについては、バイサイドではなく、セルサイドの方でも、リスクが高いとはわかっていても、株主の目を恐れてサブプライムビジネスを拡大し続けざるを得ない状況にあったのだと個人的には考えています。


ところで、本の話にもどりますが、後半はひたすら相場解説というか、世界の株式市場の動きを説明しようといった感じで書かれていますが、どこどこでいくら下がりました、その後どこどこでいくら上がりました、といった感じでひたすら書かれており、それで何なの?という感が否めません。


さらに、以下のようなことも書かれていました。

このような合理的な金融市場も、現実にはほんの少し乱れることがある。つまり、このファンダメンタルズを理解していない投資家が売買を行うことにより、株価や債券の価格が理論価格からずれることがあるのだ。これが裁定取引のチャンスとなる。 (P.234)

そもそも裁定取引を理解されていないような記述であると思います。裁定取引は基本的に一物二価を解消することでしょう。例えば、東京証券取引所で100円で売ることができるA社の株式が、大阪証券取引所で97円で買うことができる場合、これは裁定取引の機会があります。ここで比較するのはあくまで市場価格の比較であって、理論価格との比較ではありません。

株価や債券の理論価格って、一体どうやって計算するのでしょうか。それは一意に決まるものなのでしょうか。まさか配当割引モデル(DDM)なんかで理論価格を計算できるとでも考えているのでしょうか。

それとも PER? PBR? PEG? EV/EBITDA? DCF?

「ファンダメンタルズを理解している投資家=理論価格が計算できる投資家」

ということなのかもしれませんが、仮に理論価格と呼べるものを計算できるとして、その理論価格って、投資家間ではまったく異なるでしょう。

債券の理論価格って、何ですか?財務諸表を分析していくとたどり着くものなのでしょうか。

基本的にはアカデミックな方だと思いますので、仕方のないことかもしれませんが、もう少し実務的な視点も知っておいて頂けると説得力のある本になったのではないかと思います。

ちなみに、ぼくはアカデミックなことはよくわからないのですが。

ぼくの職業は会社員なのですが、具体的には証券会社でクオンツという仕事をしています。クオンツという言葉を言って、「ああ、クオンツね」と納得してくださる方はなかなかいません。一般的な言葉ではないからでしょう。そこでよく「クオンツって、何をやってるの?」と聞かれるわけですが、そのような疑問をお持ちの方にオススメしたいのがこの本です。

物理学者、ウォール街を往く。―クオンツへの転進
エマニュエル ダーマン Emanuel Derman 森谷 博之
4492653600

この著者は、素粒子物理の理論でPh.Dを取得後、ベル研究所を経て、ゴールドマンサックス証券に入社し、クオンツとして活躍した方です。現在は、コロンビア大学の金融工学プログラムディレクターだそうで、クオンツとして数々の賞を受賞している方です。デリバティブを扱うクオンツ仲間で、この人の名前を知らない人はいない、と言っても過言ではないでしょう。

そのような方が平易な言葉で、前半は素粒子物理学の博士課程時代を中心に、後半は金融業界に入ってからの活躍を描いています。平易といっても、前半の素粒子物理の内容については物理をかじったことのない方にはついていけないかもしれません。そのあたりは、まあそんなものなのね、ということで読み飛ばしても問題ありません。

クオンツとしてのレベルの違いは大いにあれど、ぼくも同じような仕事をしているわけです。クオンツ周りを志望されている就職活動中の学生さんなんかには特にオススメかもしれません。

この本を読んでひとつ思ったことにミーティングの時間があります。著者がソロモンに移ってからカルチャーの違いをいろいろと体験するのですが、その中にミーティングでの集まりの悪さが書いてあります。誰もが自分の時間を大切にしたいと思うがゆえに、開始時刻より遅れ気味にミーティングルームに向かい、誰も集まっていなかった場合は戻ってしまう。このようなことをすることによって、結果的には全員が時間を無駄にしている。そして、ゴールドマンサックス時代にはなかったことだ、というように述べています。耳の痛い話です。うちの会社も見習わなければならないと思いました。遅刻しない、というのは社会人の最低限のマナーですよね。

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