「残業ゼロ」の仕事力

「残業ゼロ」の仕事力
吉越 浩一郎
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「早朝会議」「ノー残業デー」「がんばるタイム」などさまざまな仕組みを導入されて、19期連続の増収増益を達成されたトリンプの元社長 吉越浩一郎さんが書かれたものです。とても具体的に書かれていて、とても勉強になりました。

どちらかといえば、リーダーシップに関する本だと思います。


トヨタ自動車の「トヨタ生産方式」をご存知でしょう。
品質の悪い部品が流れてきたらすぐに組み立てラインを止めて、文字どおり「見える化」し、原因を徹底的に追究して再発を防止する、というのがこのシステムの特徴です。

生産ラインを止めるのですから、当然その間にコストが発生します。しかし、たとえコストがかかろうとも、そこで問題の根を断ち切ってしまえば、二度とその問題は起こりません。その結果、全体の精度はどんどん高まり、同時に効率化も進むので、結局は経済的なのです。P.17-18

ところが、なぜか日本のホワイトカラーはこうした「問題の原因追及」をきちんとやろうとしません。P.18

これはバランスの問題なのだと思います。短期的(一時的)に発生するコスト、長期的に発生するコスト、そのどちらを取るか。今やるのは面倒だからと、先延ばしにしてしまうとその後も継続的に問題が発生し続けてしまうので解決はできません。しかし、短期的には痛みが伴なったとしても、やってしまえば解決してしまうのですから、長期的にはその問題は発生しなくなります。このように長期的に考えられるかどうか、ってとても重要だと思います。

コストではなく、収益の面だとこの考え方は完全に逆になるのではないでしょうか。短期的にはすごく儲かるかもしれないけど、長期的には収益を生み続けられないビジネスモデルと、長期的継続的な収益を生み続けるビジネスモデル。どちらを構築していくか。


問題が起こったとき、最悪なのは、そのまま何もせず放置しておくことです。
時間がないとか、すぐには名案が浮かばないとか、放っておきたい理由はいろいろあるでしょう。でも、問題はおきっぱなしにしておくと、どんどん育ってしまう、という法則があるのです。 P.34

「風が吹いたら桶屋が儲かる」ではないですが、小さな問題であってもきちんと解決しておかないと、後々大きな問題となって跳ね返ってきてしまう、ということはあるんだと思います。一方で、ばかばかしいとか、つまらないとか思えるような仕事であっても一生懸命取り組むと、後々ひょんなところでその経験が活きてくることがある気がします。


基本はロジックを積み重ねて「理詰め」でものごとが決まっていくべき。
ただ、それだけだと人間関係がギスギスするので「義理・人情・浪花節(GNN)」で間をうめる。 P.39

両者のバランスが大切だということでしょう。


会議には、情報の共有化という重要な役目もあるからです。
 単に「結論はAだ」と伝えるだけでは、情報共有はできません。
「この問題に対し、A、B、C、D、Eという解決策が出され、こういう議論を経てAという結論に至った」という、そこに行き着くまでのプロセスを同じ場で共有することでようやく自分もその決定に参加した、という意識が生まれるのです。情報共有にはこの「プロセスの共有」が不可欠なのです。P.64

このプロセスの共有化というのは、新しい仕組みを導入する際などは非常に重要なことなんだと思います。新しい仕組みを制定するにあたって、自分もそのプロセスに一部であったとしても参加したか、まったく関わらなかったかで、その仕組みを受け入れるかどうかに対する態度がまるで変わってくるのではないでしょうか。


社内向けの会議に時間をかけて見栄えのいい資料を作るなどは愚の骨頂、そんな時間があれば本来の業務に専念したほうがいいに決まっています。社内向けの資料なんて、意味さえわかればいいのです。P.72

おっしゃるとおりだと思います。


それでも私の場合は、自分で納得してやるのですからまだいいですが、それを強制される社員はたまったものではないでしょう。人間は誰でも、慣れ親しんだやり方がいちばん楽だし、それに、自分のスタイルこそが正当であると信じ込んでいるのが普通です。無理やり変えようとすれば厳しい抵抗に会うのは火を見るより明らかです。P.98

社員が、残業はなくすべきという私の考え方を受け入れるか、それとも私が、残業はいいことなんだ、という社員の強固な思い込みの前に白旗を揚げるのか、根気比べの日々が半年以上続きました。P.103

具体的には、一人一回の残業につき、部署のボーナス原資が二万円減額されます。自分が罰金を払うだけなら、覚悟を決めて残業し、仕事をデッドラインに間に合わせたほうがいい、と殊勝に考える人も、自分の残業でほかの人まで被害を受けるとなると、なんとか時間内に終わらせようという気持ちになりますからこの効果は絶大です。P.108

「ノー残業デー」導入のために工夫された点が書かれています。最終的には根気比べなのだと思いますが、要は成功するまでやれば、何でも成功になるんですね。半年で済むのか、1年以上かかるのか、そこはわかりませんが、会社のために正しいことをやっているという信念があるのであれば、成功するまで継続して取り組んでいくことが重要なのだと思います。途中でやめるから失敗になるのだと。


大切なことは毎日仕事を終えた後の3時間あまりを、「自分の人生のために投資する」、と考えることです。P.112

どんなに親しい人が相手でも、二次会には行かない、と決めていました。なぜなら、私の場合、夜は八時間寝ないと翌日調子が出ないからです。二次会に行っていたら、大切な八時間睡眠が確保できませんからね。P.114

眠い目をこすりながらデスクに座っていても、何も仕事になりませんからね。だったら会社にいる時はできるだけ高い効率で働けるように体調をきちんと整えておくということが重要だと思います。そのためには、だらだら残業しないで早めに切り上げて、必要な睡眠をきっちり取らなければならないのでしょう。

ぼくは、最近はこの方向でがんばろうとしています。


要するに、「人事を尽くして天命を待っている」と思っているのは本人だけで、実際は人事を尽くさずに、ただ天命を待っている人が多い、それが日本の会社の実情なのです。 P.166

ぼくも、ただ天命を待ってしまっていたこともあるかもしれません。これでは生産的な仕事はできません。


ロサンゼルスに住んでいる知人の娘さんがいて、招待を受けてお宅を訪問した際のことです。彼女のアメリカ人のご主人が、「life for work(働くために生きる)」ではなく、「work for life(生きるために働く)」でなくてはならない、と力説していました。P.186

work for life の考え方でやっていこうと思います。人生いろいろと楽しまないと。


ちょっと長くなってしまいましたが、この本はオススメです。

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Manchester Business SchoolでのMBA留学を終え、2008年4月に帰国しました。最近は不動産投資やマイホーム購入に興味を持っています。


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