2008年10月のエントリー 一覧

こちらのブログを読んでいたら、29日の日経新聞の経済教室およびクレデリの会計基準が取り上げられていました。

この経済教室の記事自体は、また突っ込みどころが多いような気もしますが、とりあえずおいておきます。

どちらかというと、上のブログで取り上げられていた「金融商品会計に関する実務指針」にあらわれるいくつかの言葉の意味がよくわからない、という話を書きたいと思います。

金融商品会計に関する実務指針 138項

「クレジット・デリバティブ及びウェザー・デリバティブのうちデリバティブの特徴を満たし市場価格に基づく価額又は合理的に算定された価額がある場合には当該価額をもって評価する。ただし、クレジット・デフォルト・オプションのうち市場価格に基づく価額がないものについては、債務保証に準じて処理する。」

ここで出てくる「クレジットデフォルトオプション」って、何を意味するのでしょうか。クレジットスワップション(クレジットデフォルトスワップのオプション)のことでしょうか。

WikipediaのCredit Default Optionを見てみると、

In finance, a default option, credit default swaption or credit default option is an option to buy protection (payer option) or sell protection (receiver option) as a credit default swap on a specific reference credit with a specific maturity.

http://en.wikipedia.org/wiki/Credit_default_option

とあるので、やはりクレジットデフォルトオプションは、クレジットデフォルトスワップそのものではなく、クレジットデフォルトスワップのオプション契約(クレジットスワップション)のことであるように見えます。

確かに、クレジットスワップションであれば、(少なくとも日本では)ほとんど流動性はないので、市場価格に基づく価額はないと思われます。

しかし、よくよく「金融商品会計に関する実務指針」を見てみると、次のような記述がありました。


金融商品会計に関する実務指針 226項(一部)

第三者(参照当事者)の倒産、信用格付けのダウングレードなどの信用事由が発生すると、現金の支払いまたは現物の受渡しが行われるものをクレジット・デフォルト・オプションという。


金融商品会計に関する実務指針を見る限りは、クレジット・デフォルト・オプションは、クレジットスワップションではなく、クレジットデフォルトスワップそのものを意味しているように見えます。

このあたり、実務経験の浅いぼくにはよくわからないところなのですが、歴史的にはいろいろ言葉の混乱もあったのでしょうか。

どなたかご存知の方いらっしゃいますか。

言葉の定義は認識が同じでないと、いろいろと混乱の元になるので注意が必要かと思います。


とりあえず、会社で誰かに聞いてみようかと思います。

先日、ハッピー&リッチアパート経営フェスタに行った際に申し込んでおいた「世界一分かりやすい大家さんのセルフリフォーム」DVDが届きました。

NSX松田さんが講師をされており、以下のような内容について、非常に実践的な視点から説明されています。

  • カラーモニターホンの取付
  • 暗証番号キーの取付
  • IHヒーターの取付
  • カッティングシート
  • 塗装(準備、マスキング、作業、二度塗り、マスキング剥がし)
  • 洗濯機ニップル取付
  • コンセントプレート交換
  • 玄関の鏡取付
  • 玄関ドアの開閉調整

こうして説明を受けると、作業の難易度にはかなり差があることがわかります。

カラーモニターホンあたりなら、誰でもすぐにでもできそうですが、塗装あたりはちょっと敷居が高そうです。

コンセントプレートなんか、ちょっと替えるだけで、ずいぶんと部屋の雰囲気が変わる気がします。なんだかんだ言って、第一印象って、大切ですからね。


現時点では、ぼくは自分で体を動かしてリフォームをしようとは思っていません(おかげさまで満室なので、したくても出来ません)が、業者さんの見積もりを見る際、価格の割安割高を判定するには、非常に参考になります。

何でもそうかと思いますが、やはり実際にやっている人の話はとても参考になります。


オフィシャルなページがどこにあるのかわからないのですが、予告編は以下のページで見ることが出来ます。

リフォーム実践DVDの予告

ぼくが購入した価格は先行販売で12000円でした。正式販売でいくらになるか知りませんが、この手の事に不慣れな方は、買っておいて損はしないと思います。

(11月8日追記)

オフィシャルなページができたようですので、リンクを追加しておきます。

NSX松田の世界一わかりやすい大家さんのセルフリフォーム

(25日の日経新聞の記事を受けて、最後に一部追記しました)


金曜日(24日)の日本経済新聞およびそのネット版であるNIKKEI NETに次のような記事が掲載されていました。

日米欧、金融保証商品の清算機関設立 損失処理促す

 日米欧が来年にも相次ぎ、企業倒産などで将来資金が焦げ付いた場合に損失を肩代わりする金融商品の清算機関を設立する見通しになった。日本はアジア市場を視野に入れた機関の設置を検討するほか、米欧も官民で設立に向けた協議を始めた。世界的な信用不安の象徴である損失肩代わり商品の安全性と透明性を高める。企業倒産に伴う損失を早期に見積もり、金融機関の損失処理を加速させる効果を狙う。

 損失肩代わり商品は一般に「クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)」と呼ばれる。企業が発行する社債などを持つ投資家が、第三者である金融機関などから損失肩代わり商品を買っていると、企業が倒産しても元本が戻ってくる。ここ数年、世界で取引規模が急速に膨らみ、6月末の取引残高(想定元本)は全世界で54兆ドル(約5400兆円)に達し、日本の残高は80兆円程度に上るとみられる。 (07:00)

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081024AT2C2301K23102008.html


これ、まじめにこんな書き方をしているのでしょうか?それとも、何か裏側に意図があってこんな書き方をしているのでしょうか?例えば、「クレジットデフォルトスワップに関する間違った理解を日本経済新聞の読者の方に植え付けさせて頂こう」、みたいな。

しかも、1面トップですよ。


3面にあるグラフのタイトルは、「損失肩代わり商品(CDS)の市場規模」とあります。損失肩代わり商品だったら、SKSなのでは?TMKみたいに書くのであれば。


7面に書いてある図のタイトルは、

「クレジットデフォルトスワップの取引の流れ」

ではなく、

「損失肩代わり金融商品の取引の流れ」

と書いてあります。

誤解を生むような表現を、大々的に使うのはやめて頂きたいと強く思いました。


このブログを読んで頂いている方は、変な誤解をされてはいないと思いますが、最近のメディアの書き方を見ていると、どうも納得がいきません。よろしければ今までのエントリに目を通して頂ければと思います。

クレジットデフォルトスワップ(CDS)とは?

OTC derivatives は Correlation derivatives

CDSの残高が減少したようです

クレジットデフォルトスワップ(CDS)の決済方法-リーマン・ブラザーズの例

クレジットデフォルトスワップ(CDS)における回収率とは?


ぼくもまだクレジットデリバティブの経験は浅いので、誤解しているところもあるかと思います。ということで、本格的に知りたい方は次の本がおすすめです。

クレジット・デリバティブのすべて 第2版
河合 祐子
4881777424


上で書いたことと矛盾するように思われるかもしれませんが、クレジットデフォルトスワップが損失肩代わり商品であることは間違いではないでしょう。ただ、損失肩代わり商品の一つであって、

「損失肩代わり商品は一般に「クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)」と呼ばれる。」

わけではないと強く思います(「損失肩代わり商品」の前に、(ここで取り上げられている)という言葉が入ればまだましですが、入っていないと誤解を生む可能性が高いのではないでしょうか)。


そんな言い方をしたら、債券や株式だって損失肩代わり商品ということになるでしょう。特に、債券とクレジットデフォルトスワップ(CDS)には、相違はほとんどないでしょう(細かい点を除けば、Funded か、Unfunded の違いだけで、基本的なコンセプトは同じでしょう)。

例えば、債券の場合、国が発行する場合(国債)、投資家からお金を借りて、5年後とか、10年後の満期にお返しする、という金融商品です。その間、クーポンというものが支払われます。しかし、もしその国がクーポンを払えなかったり、その投資家から借りたお金(元本)を返済することができなかったら、デフォルトです。債券の投資家は、この国による返済リスクを抱える対価として、クーポンをもらうわけです(リスクの高い国は、金利が高くなる傾向にあります)。

つまり、国債の投資家は、ある国の損失を肩代わりしているわけです。

最近では、アルゼンチン、ウクライナ、ロシア、アイスランドなどなど様々な国のデフォルトリスクが強く意識されるようになってきています。つまり、こういった国の国債に投資している投資家は、その国の損失を肩代わりせざるを得ない状況に陥る可能性が高まってきているわけです。


つぎに、民間の事業会社が発行している事業債(社債)について考えてみます。日本企業で言えば、東京電力、NTT、トヨタ自動車、オリックス、ソフトバンクなどなど、様々な企業が、事業を行うために、資金調達を行っており、一部は社債を発行する形で行っています。

別の言い方をすると、一般に企業は金儲けをするために、お金が必要なわけですが、損失が発生すると嫌だから、その損失を肩代わりさせるために、債券を発行して投資家に押し付けようとしているわけです(ただし、損失を肩代わりする順序としては、株式の投資家が先に来ますので、債券の投資家は株式の投資家に比べると守られていることになります)。

さて、あえてここでは、日本経済新聞で使われている表現に近い形で、債券(国債や社債)の説明をしてみましたが、一般的にはこんな書き方をする人はいないでしょう。


もっと言えば、保険商品というのは、まさに損失肩代わり商品の典型ではないでしょうか。交通事故を起こして弁償しなければならない、家庭の稼ぎ手が急死してしまい今後の生活に困ってしまう、家事で家が燃えてしまったら大事な財産がなくなってしまう、などなど、そういった損失を保険会社が肩代わりしてくれるわけですが、そのためには保険料を支払うわけです。

ところが、まじめに保険料を支払っていたとしても、突如その保険会社が破綻してしまうと、その保険契約が突如消滅してしまったり、条件が改悪されてしまったりすることが起こります(これは、まさにCDS(より一般にはOTCデリバティブ)で言うところのカウンターパーティーリスクです!)。


CDSばかりを、損失肩代わり商品呼ばわりするのはやめて頂きたいと思います。


それから、最近は「金融工学」も悪者扱いされている気がします。確かに、金融工学の発達によって証券化の仕組みが生まれ、今回のサブプライムの一因になったことは否めないかと思います。

しかし、旅客機が墜落して数百人の命が失われた場合に、航空学が悪者扱いされるでしょうか?ライト兄弟さえいなければ、その目の前で失われた数百人の命は失われなかった。彼らさえいなければ、なんて発想になるでしょうか。

旅客機の場合、いろいろな原因があるかと思いますが、ある作業点検員が点検を怠ったことだったり(人的ミス)、航空機の構造上の欠陥(設計ミス)、想定を超える気候の変化(外部環境の変化)、などなどがあるかと思います。


今回のサブプライムも同じではないでしょうか。証券化の仕組みが出来上がり、リスクを分配する仕組みが出来上がった。それにより、金融機関の融資審査が甘くなり、不動産を購入できる人が増え、買える人が増えたから、不動産価格が上昇。一方で、投資家は、格付け会社の格付けに頼って証券化商品を購入、格付け会社も証券化商品に格付けを付与することで売り上げを拡大、利益を優先するあまり、格付け審査の質が低下してしまっていた。

さらに実体経済の方も、所有している不動産価格が上昇することで、担保価値が上昇、その担保枠を使って、実際に車を買ったり、別の家を買ったり、と消費にまわっていた(資産効果)。これによって、実体経済も潤っていた。

これは、簡単に書きすぎているかもしれませんが、アメリカを中心に、世界の経済がそんな感じでまわっていたのではないでしょうか。歴史的にもバブルは幾度となく繰り返されており、それらの原因は、ある特定の資産や仕組み、というよりは、やはり人間の利益に対するあくなき欲求なのではないかと思います。

だからこそ、そういった人間の欲求発のバブルをできるだけ防ぐために、仕組みが必要なのだと思います。人類はこういったバブルを経験しながら、少しずつ前に進んでいるのではないでしょうか。


ちょっと長くなってしまいました。

(以下、追記です)

25日の日経新聞に以下のような記事がありました(いずれも、10月25日付けの日本経済新聞より一部を引用させて頂いております)。

4面のISDAのCEOピッケル氏に対するインタビュー記事では、

--CDSが危機の元凶といわれている。

「それは誤解だ。大手破綻の主因は資金繰りであり、デリバティブは一部絡んだだけだ。CDSはもともとリスク移転の手段。投機に使われているかもしれないが、いろいろな参加者がいるから市場が成り立つ」

とあります。

誰が言い出したのか知りませんが、ぼくも「CDSが危機の元凶」だとは思っていません。


また、5面の東証社長の斉藤氏に対するインタビュー記事では、

--債務不履行に備えた保証金融商品、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)が金融危機を深刻化させたとの指摘もあります。

「CDSの最大の問題点は金融機関どうしが相対で取引しており、実態が見えにくいという点だ。それを解決するために今、米欧ではCDSの清算機関を設立して、市場の監督者がリスクを把握しやすくしようという動きがある」


--市場規制のあり方に関する意見は。

「CDSだけでなく金融派生商品(デリバティブ)全般に、取引の様子を見えやすくすべきだ。(後略)」

とあります。

価格が一般の方に見えにくいのは確かだと思います。ただ、業者間では、Markit社CMA(QuoteVision)が価格情報を集計して提供していますし、銘柄によって流動性の違いが起きるのは避けようがないと思います。

例えば、東証一部、東証二部、マザーズでは、流動性がまったく異なるでしょう。いくら上場していたとしても、毎日何度も価格がつく銘柄もあれば、1週間に何度か、といった銘柄まであるでしょう。

ただ、CDS市場と、株式市場の大きな違いは参加者層の厚みです。日本では、CDS市場への直接の参加者は、金融機関がせいぜい20社程度でしょう。一方株式市場は機関投資家から個人投資家まで幅広い参加者がいます。流動性や価格への信頼性が異なるのは間違いありません。

また、斉藤氏がおっしゃられているように、市場の透明性向上という意味では、CDSのみではなく、OTCデリバティブ全般に言えることなのではないかと思います。

ただ、個人的に思うのは、CDSと他のデリバティブでは一つ大きな違いがあると思います。それは、CDSがデジタル的なペイオフを持っている一方で、金利、エクイティなどのデリバティブはどちらかというとアナログ的なペイオフを持っているので、市場の変化によってじわじわと損益が発生するということです。

なので、時価評価(MtM)を行っていれば、金利やエクイティではそれほどサプライズは起きないと思いますが、CDSの場合はスプレッドが800bpsのところから突然デフォルトするようなこともあるので、突如損失が発生した、みたいに捉えられる傾向にあるのではないかと思います(もちろん、株価でもそれなりに高いところから突然デフォルトが起きて、取引不能になることはありますが、一般的には、なんとなく市場は織り込んでいくと思います。一方、CDSの方は参加者が少ないため、その織り込み方が十分ではない場合が多い気もします(他にも、クレジットイベントの定義が明確ではない、などいろいろ議論すべき点はあるかと思いますが))。


ちょこっと追記するつもりが、また長くなってしまいました。

最近、円が強すぎです。

今までユーロ、ポンド、豪ドル、ニュージーランドドルといった通貨に対して(他通貨に対してもだと思いますが、ぼくはあまり見ていないので)、円が強かったですが、最近は米ドルに対しても円高になっています。

すでに1米ドル97円台。ユーロなんか125円台。

ダウも下げてるし、オーバーナイトでさらに円高も進んでいるので、今日も日経は大きく下げるんですかね、、、

ということは、iTraxxもさらなるワイドニングでしょうか、、、

原油も66ドル台まで下落しているようで、直近の高値と比べるとずいぶん下がってきました。

この流れ、一体いつまで続くのでしょうか。

ブラックサーズデー当時並みに株価が下落するのだとすれば、まだ数年は株価の下落が続くことになるわけですが、、、はたしてどうなることやら。


ここからは個人的な話ですが、金融資産のやられっぷりはひどいです。ポンドなんて、現在158円台。昨年イギリスにいたときに、1ポンド250円くらいだった頃と比べると、イギリス生活が安くなっているんでしょうね。それでも、割高かもしれませんが。日本生活の方が割安だと思います、質を考えると。


一方、実物資産である不動産は、現在の最強通貨(?)であるところの円を毎月きちんと稼いでくれます。不動産市場全体では価格は下落しているわけですが、自分の持っている物件の賃料が契約を継続した状態で下がるリスクは極めて低いでしょうから、こういう時は不動産は強いなぁ、と思います。

退去が発生すればもちろん別ですが。


最後にまた通貨の話に戻りますが、韓国ウォンも安いですね。アジア通貨危機当時の水準まで下落しています。

アジアのソブリン(CDS)もワイドニングしているようです。

リノベーション投資のヒミツ―フツーの主婦うっちゃんが、年間売上1億円!
内海 芳美
475721555X


最近あまり本を読んでいなかったのですが、久しぶりに読みました。不動産投資の世界では有名な内海芳美さんが書かれたリノベーション投資についての本です。

けっこう不動産投資に関する本は読んできましたが、最近は不動産投資を始めるにあたっての入門書よりも、投資を始めてからの実際の運用について書かれた本に興味が移ってきています。


さて、リノベーションですがちょっと定義を調べてみました。以下、ALL ABOUTからの引用です。


リノベーション

リノベーションとは、既存の建物に大規模な改修工事を行い、用途や機能を変更して性能を向上させたり価値を高めたりすること。

建物の経年にともない、時代に合わなくなった機能や性能を、建て替えずに、時代の変化にあわせて新築時の機能・性能以上に向上させること。具体的には、耐震性や防火安全性確保し、耐久性を向上させる、冷暖房費などのエネルギー節約のため、IT化など変化する建築機能の対応・向上のために行われる。外壁の補修、建具や窓枠の取り換え、間取り変更、給排水設備更新、冷暖房換気設備の更新などを行う。

http://kw.allabout.co.jp/glossary/g_house/w002445.htm


ということで、内海さんの基本方針は、土地代以下で建物付の物件を取得し、リノベーションをしてから、販売するか、賃貸に出すそうです。

この本は、リノベーションに関するノウハウ本が書かれているというより、内海さんが現在のリノベーション投資を始められるまでの経験が書かれています。最初は自宅を購入し、それに手を入れることから始められたそうです。

実際に手がけられた物件の写真が巻頭に掲載されていますが、どれもステキな物件に生まれ変わっています。こんな家なら住んでみたいと思われる方が多いかもしれません。

さて、本の中で内海さんが次のように言われていました。

なんでも器用に自分でやってしまう人は、逆に、そのことに時間を取られすぎて、肝心のことができなかったり、遅くなったりします。 P.25

それぞれ、専門家や適任の人に頼んだほうが多少コストはかかっても時間の節約になりますし、質も確保できます。 P.26

そして、

必ず成功する「自分チーム」のつくり方

という章もあります。

こういった考え方は大切だと思います。

いろいろな方のブログを読んでいると、中には会社員であるにもかかわらず、自ら手を動かして、賃貸管理、建物管理、修繕、改築など小さなことからそれなりに大きなことまで何でもご自分でやっている方がいらっしゃいます。

そういう風に何でも自分でやってしまおう、という考え方もあるかと思いますが、ぼくの考え方は内海さんと同じく、やはり「餅は餅屋」だと思っています。ぼくも不動産投資をやっていますが、やはり本業は会社員ですので、1週間のうちでほとんどの部分は会社で過ごしています。ということで、自分で手を動かすのは現実的ではありません。

長期的な観点からの修繕等であれば、週末を使って少しずつできるかもしれませんが、やはり緊急時の対応などはプロの不動産管理会社にお願いした方が提供できるサービスのクオリティが違ってくると思います。管理料をお支払いしても、管理会社にお願いした方がよいと考えています。

また、税金に関しても、費用はそれなりにかかりますが、相談できる税理士さんがいると、やはり安心感が違います。しばしば変更される税制をきちんとフォローするのは素人にはしんどいですし。

ちょっと話がそれてしまいましたが、古めの物件(古いものばかりとは限らないようですが)を購入し、バリューアップを図った上で、賃貸に出すというのはおもしろそうだなぁ、と思いました。

次あたり、挑戦してみるのも悪くないかもしれません。

でも、まだ早いかな、、、

ちなみに、内海さんが経営されている「ひだまり不動産」のページはこちらです。
http://hidamari.bz/

マンチェスタービジネススクールでは、各学生に1台のラップトップ(ノートパソコン)が貸与されるのですが、その中にプリインストールされていたソフトの1つにPDFCreatorがありました。

何でも簡単にPDF化できるので、かなり便利です(しかも、フリー!)。特に、オンラインショッピングの際に、わざわざ印刷する必要がなくなり、PDFファイルにしておけば、紙の節約にもなります。

このソフトがGIGAZINEで紹介されていたので、それをここで紹介しておきます(単なる手抜き?)。

PDFだけでなくPNG・JPG・TIFF・BMP・PCX・PS・EPS形式でも出力可能なフリーの仮想プリンタ「PDFCreator」

PDF化できるソフトを現在お持ちでない方は、ぜひ一度お試しください。

便利ですよ、ホントに。

最近は、国際的な金融機関に資本が注入され、クレジットイベントなんだか、そうでないんだかよくわからないことになっていますが、ISDAのページによると、前回ちらっと説明した、プロトコル方式によって決済が行われることになっている参照組織は以下の通りです。

  • Kaupþing
  • Landsbanki
  • Glitnir
  • Washington Mutual
  • Lehman Brothers
  • Fannie Mae and Freddie Mac
  • Tembec


Conservatorshipやら、Receivershipやら、クレジットデリバティブの世界はホントによくわかりません。エクイティデリバティブだと、基本的に株価であらゆるペイオフが決まるので、比較的シンプルですね(最近は、Market Disruptionでバリアンススワップの計算に算入されない日もあるらしい、と聞いているので、エクデリの方もすこしやっかいみたいですが)。


さて、今回は、回収率について質問を頂いたので、簡単に書いておこうと思います。


その前に、以下が今までに書いたクレデリ関連のエントリ一覧です。一部専門的なところもありますが、目を通して頂くと、現在、世の中を騒がせ、かなり悪者扱いされている(?)、クレジットデフォルトスワップについて、その一端に触れることができるのではないかと思います。

クレジットデフォルトスワップ(CDS)とは?

OTC derivatives は Correlation derivatives

CDSの残高が減少したようです

クレジットデフォルトスワップ(CDS)の決済方法-リーマン・ブラザーズの例


さて、本日の本題、回収率です。CDSの中に専門用語として出てくる回収率の前に、会社が倒産し、清算した場合の債務(債券やローン)の弁済率(回収率)について簡単に説明します。

企業は、簡単に言うと、デット(他人資本)とエクイティ(自己資本)によって資金調達を行い(お金を集め)、そのお金を使ってビジネスを行って、利益を上げています。デットというのは、銀行からお金を借りたり、債券と呼ばれる有価証券を投資家に買ってもらって、資金調達を行っている部分です。一方、エクイティは、株式と呼ばれる有価証券を投資家に買ってもらって資金調達を行っています。

ビジネスがうまくいけばいいのですが、うまくいかなくなり、会社が倒産してしまうこともあるでしょう。そのような場合、会社が持っている資産(現預金、有価証券、商品などの在庫、不動産など)を現金化して、今までお金を融通してもらっていた人たちに返済します。その際、デットという形で資金提供していた人たちに優先的に返済され、それでも余ったら、エクイティの形で資金提供していた人たちに返済が行われます。

例えば、ある企業が倒産し、清算して資産が十分になかった場合(債務超過)に、100万円の債券を購入していた人には、30万円しか返済されないかもしれません。この場合、元本100万円に対して実際に返済された割合、つまり

30万円 / 100万円 = 30%

のことを弁済率(回収率)と呼んでいます。


さて、話がそれてしまったように思われるかもしれませんが、ここで話をCDSに移します。前回、CDSの契約とは次のようなものであると書きました。


2006年9月20日から2011年9月20日の間(5年間)に、リーマンブラザーズホールディングスが倒産したら、SさんはBさんに10億円(想定元本)×(1-回収率)を払うこととする。ただし、BさんはSさんに毎年保険料として、400万円の支払いをするものとする。また、倒産が起きた場合には、その後の保険料の支払いは発生しないものとする。


この時、Bさんの立場はどのような人が考えられるでしょうか。純粋ゼロの状態から、新規にトレーディング目的でリーマンのCDSを購入したい、という人もいると思いますが、一つ考えられるのは、すでにリーマンに10億円を融資している銀行や、リーマンが発行した債券を10億円保有している人(債権者)です。

10億円の債権を持っている人たち(CDSの買い手なので、Bさん、と呼んでおきます)は、もしリーマンが倒産してしまうと、その10億円の債権が回収不能になってしまうかもしれません。そこで、この10億円を守るために、年間400万円(この数字はあくまで例です)という保険料を払ってもいいと考えるかもしれません。

前回、CDSには、現物決済と現金決済があると書きましたが、ここでは現物決済を考えます。Bさんが現物決済のCDSを購入して、その後、クレジットイベントが発生した場合、どうなるでしょうか。

この場合、現物決済ですので、

Sさんは、Bさんに10億円を支払い、

Bさんは、Sさんに元本が10億円の債権(債券もしくはローン)を引き渡す

ということが行われます(Sさんは、CDSの売り手です)。

そして、クレジットイベントが発生しているのですから、この10億円の債権は清算されることになります(以前も書いたように、クレジットイベント=バンクラプシーというわけではないので、このあたりは微妙ですが、、、)。

すると、このエントリの最初に説明したように、10億円の元本は返済されることは稀で、100%よりかなり低い回収率相当分が返済されることになります。つまり、「10億円×回収率」というわけです。

あらためて、上の現物決済を数式っぽく書いてみると、

10億円の現金 - (クレジットイベントが発生した企業に対する)元本が10億円の債権

=10億円 - 10億円×回収率

=10億円×(1-回収率)

となり、最初に書いたCDS契約の説明の中に出てきた数式になりました。このような背景があって、数式の中に回収率という言葉が出てきます。


ここで少し話が変わりますが、一般的に、倒産することが明らかになった後、債券の市場価格は急落すると思われます。で、どのあたりに落ち着くかというと、市場が予想する回収率に落ち着くと思われます。つまり、市場参加者がその倒産した企業のバランスシートを分析して、この債券に対してどの程度現金が返ってくるかを予想しながら、市場価格の方が安いと思えば買うでしょうし、高いと思えば売るでしょう。そのような形で市場では取引が行われます。

一方で、実際にその企業の清算が完全に完了して、実際に回収率相当の現金が返済されるまでにはかなり時間がかかるのが一般的だと思われます。そこで、CDSの現物決済用には、オークションという形で回収率を(ある意味勝手に)決定し、すべてのCDS契約の決済を行ってしまっていることになります。

最近行われたオークションで決定された回収率は以下の通りです(Wikipediaより引用)。

2008-10-02 Tembec Inc                83

2008-10-06 Fannie Mae - Senior          91.51

2008-10-06 Fannie Mae - Subordinated     99.9

2008-10-06 Freddie Mac - Senior          94

2008-10-06 Freddie Mac - Subordinated     98

2008-10-10 Lehman Brothers            8.625

http://en.wikipedia.org/wiki/Credit_default_swap


これで、回収率の意味が少しでもお分かり頂ければよいのですが。


クレデリについての本を読むならこちらがおすすめです。

クレジット・デリバティブのすべて 第2版
河合 祐子
4881777424


CDSの回収率でした。

思ったより長くなってしまいました。

ブックオフは普段からよく使っているのですが、大型店舗が都内の(ぼくがよく通りそうな)主要駅にないのがちょっと残念なところでした。

最近は秋葉原なんかにも大型店がオープンしているので、自宅から自転車で行こうと思えば行けるのですが、なかなかブックオフだけのために秋葉原に行く気にはなれません(秋葉原だったら、電気屋さんもたくさんあるのでそれなりのインセンティブはありますが)。

そんな風に思っていたところ、8月にセンター街店がオープンしたということだったので、先日行ってみました。

BOOKOFF 渋谷センター街店

それなりに在庫も充実していて、個人的にはけっこう気に入りました。古本屋の場合、在庫と言っても、分野によっては強いところと弱いところがあるので、同じブックオフでも充実度にばらつきがあります。そういう意味では、渋谷センター街店はぼくが読みたい分野の本の在庫はかなりよいと思います。

どこかに出かけた帰り道なんかで、渋谷は通ることもあるのでこれから利用していきたいと思います。


ちなみに、今回初めてブックオフで本を売りました。ある程度の量があれば、出張買取をしてくれるのでいちいち持っていく必要はありません。電話一本で予約すると、その日時に取りに来てくれます。

今回は全部で何冊引取ってもらったのかはわかりませんが、値段がついたのは70冊で、合計3660円とのことでした。1冊あたり50円程度と単価はかなり安いですが、電話をかけるくらいで他には何の手間もかかっていないので、それでも十分でしょう。しかも、次に誰かにまた読んでもらえるわけですから、捨ててしまうよりはよっぽどいいと思います。


ということでブックオフでした。

おすすめです。


(10月17日追記)
ALL ABOUTの記事に

本をためこまないシステム

というものがありました。本の処分はみなさん困っているようですね。

悩ましい、、、

リーマン・ブラザーズを参照するCDSの回収率(Recovery Rate)が確定したようです。8.625(=100-91.375)と、直近のマーケット12~13よりは少し低めだったようですが、それほど大きなずれはなかったようです(数字のソースは以下で引用しているニュース記事です)。

CDSの仕組みについては、簡潔にクレジットデフォルトスワップ(CDS)とは?というエントリに書きましたが、質問を頂いたこともあり、取引残高および決済方法についても、もう少し触れておきたいと思います。


まずCDSの取引残高ですが、参照債務(参照組織の債券やローンなど)の実際の残高とは直接的には関係はありません。CDS契約は、その取引当事者が相対で取引をしているだけですので、理論的にはいくらでも残高が積みあがることになります。以下、具体例で考えてみたいと思います。

Aさん(Buyer)とBさん(Seller)の間で、リーマンブラザーズを参照する額面が10億円のCDS契約を結んだとしましょう。さらに、同日、Bさん(Buyer)とCさん(Seller)が同じ満期日を持つ10億円のCDS契約を結んだとします。

この場合、Bさんは売り手と買い手の両方の立場で同じ参照組織の同じ満期日を持つCDS契約を持っていることになるので、ネットの契約残高はゼロとなります(カウンターパーティーリスクはあるものの、マーケットリスクは取っていない状態です)。実質的にはAさんとCさんの間で10億円のCDS契約が残っている状態になるわけですが、統計的にはAさんとBさんの契約、BさんとCさんの契約がそれぞれ別契約としてカウントされるため、CDSの契約残高としては20億円となります。

つまり、CDSの契約残高は、売り買いのポジションをすべてネッティング(相殺)するとかなり小さくなると思われます。

次に、今回リーマンのCDSに関する入札が行われ、回収率が8.625になった、というニュースについてです。まずはニュースをご覧ください。

リーマンCDSの売り手、10日の入札結果で90%程度の損失被る可能性

2008年 10月 10日 11:18 JST

 [ニューヨーク 9日 ロイター] 破綻したリーマン・ブラザーズ(LEHMQ.PK: 株価, 企業情報, レポート)のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の売り手となっていた金融機関やヘッジファンドは、10日に入札結果が明らかになりCDS価値が判明すると、最大で90%の損失を被る可能性がある。

 一部アナリストは、入札でCDSの売り手が買い手を上回った場合が、一段の損失となる可能性もあると予想している。

 マーケットアクセスによると、リーマン債の多くは、額面1ドルあたり0.12―0.13ドル近辺で取引されており、CDSもこの水準までのリカバリーとなることを示している。


原文参照番号[nN09325896](3000Xtraをご利用の場合、配信後24時間以上経過した記事でも380日以内であれば[ID:nN09325896]ご覧になれます。なお、契約の内容によっては、原文がご覧いただけない場合もあります)

© Thomson Reuters 2008 All rights reserved.

http://jp.reuters.com/article/fundsNews/idJPnTK828580120081010


リーマン対象金融派生商品「清算価値は8・625%」

 【ニューヨーク=池松洋】経営破綻(はたん)した米証券大手リーマン・ブラザーズを対象にした、金融派生商品(デリバティブ)のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の清算価値が10日、元本の8・625%に決まった。

 金融派生商品を扱う事業者の業界団体「国際スワップ・デリバティブス協会」(ISDA)が発表したもので、破綻後に暴落したリーマンの社債の価値などに連動する形で決まったという。

 市場推計ではリーマン関連のCDSの契約残高(想定元本)は約4000億ドル(40兆円)。この9割以上が損失となり、リーマンの社債保有者などからCDSを引き受けた金融機関などがかぶることになる。ただ、契約時の手数料などで損失の一部はカバーされる可能性がある。

 CDSは、企業に融資をした金融機関や、企業が発行した社債を購入した投資家が、焦げ付いた場合の損失を肩代わりしてもらうために、他の金融機関などと行う金融取引だ。

(2008年10月12日01時32分 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20081012-OYT1T00082.htm


UPDATE 3-Lehman CDS sellers lose $365 bln after auction

Sat Oct 11, 2008 2:13am IST

(Updates price, rewrites throughout)

NEW YORK, Oct 10 (Reuters) - Banks, hedge funds and other sellers of protection on Lehman Brothers LEH.N (LEHMQ.PK: Quote, Profile, Research) are facing losses of 91.375 percent of the insurance they sold, after an auction was held on Friday to determine the value of the credit default swaps.

The settlement of Lehman's credit default swaps is one of the largest in the $55 trillion market to date, with around $400 billion in contract volumes estimated on Lehman's debt.

Based on those estimates, the amount of insurance paid out would equal $365.5 billion, CreditSights analyst Brian Yelvington said in a report. However, "net positions are likely to be much lower," he said.

The auction was widely watched as some investors had feared that large losses by protection sellers may be concentrated at one institution, such as a bank.

Derivatives practitioners, however, argue this is unlikely as protection sellers will have already written down the loss in the market value of the contracts, and so extra losses should be negligible.

The auction, "in and of itself, should not be the downfall of an entity since (Lehman's) bonds have been trading in the low teens for weeks and the difference in the auction and yesterday's price is only $4.375," Yelvington said.

Large counterparties, such as dealers, would also have a number of offsetting trades where they may have bought and sold protection, and much of this will be canceled out.

Bob Pickel, chief executive at the International Swaps and Derivatives Association, a trade group, said payouts after netting these exposures would likely be nearer 2 percent of the volumes outstanding. This means $8 billion in protection would need to be paid out.

LOWER RECOVERY

There were more sellers than buyers of the debt in the auction, which led the final recovery of 8.625 percent to below the 12-to-13-cent area some had expected based on the trading level of Lehman's bonds on Thursday.

This is likely due to more protection sellers choosing to settle the contracts in the auction, compared with protection buyers who settled by physically delivering the defaulted debt to the seller.

When a borrower defaults on their debt, sellers of protection pay buyers the full sum insured, and in return receive the defaulted debt or a cash payment, which is determined by the auction.

In spite of the imbalance "the auction went very smoothly, with the slightly lower-than-expected final price reflecting a bias towards sellers," said Simon Moore, credit strategist at credit Suisse in New York.

"You don't know who's going to cash settle or physically settle until the auction and even amongst the people who physically settle you don't know what the ratio will be," he added. (Reporting by Karen Brettell; Editing by Jonathan Oatis)


© Thomson Reuters 2008 All rights reserved

http://in.reuters.com/article/rbssFinancialServicesAndRealEstateNews/idINN1038718020081010?pageNumber=2&virtualBrandChannel=0&sp=true

上で説明したように、CDSの契約残高は、参照債務(Reference Obligation(s))(および引渡可能債務(Deliverable Obligation))の残高を大きく上回ることがあります。

ここでCDSの決済方法を簡単に説明します。CDSの決済方法(つまり、クレジットイベントが発生した場合の保険金の支払いのことです)には、大きく分けると

  1. 現物決済(Physical Settlement)
  2. 現金決済(Cash Settlement)

の2パターンに分けられます。さらに、現金決済は次の2パターンに分けられます。

  • 市場価格参照型
  • 定額型

この2パターンで多少の違いはあるものの、現金決済の場合は現金のやりとりだけで済むことになります。

一方、やっかいなのが現物決済の方です。現物決済というのは、現物つまり引渡可能債務(Deliverable Obligation)を受け渡す必要が発生します。ところが、プロテクション(CDS)の売り手は必ずしも引渡可能債務の保有者(または債権者)であるとは限りませんので、引き渡すためにその債務を市場から調達してくる必要があります。歴史的には、この調達需要により、引渡可能債務の市場価格が急騰したりすることもあったようです(例えば、Delphiの例)。

そこで、このような事態を避けるために、現在主流となりつつあるのがプロトコル方式と呼ばれるもので、既存のCDS契約で現物決済と定めていても、入札(Auction)によって最終価格(または回収率)を決定し、現金決済を行いましょう、というものです(ただし、現物決済希望者は現物決済が可能)。


そして、上で引用したニュースは、リーマンを参照するCDSに関して、まさにこの入札が行われて、最終価格(または回収率)が決まりました、といった内容を伝えるニュースなのです。

クレジットデフォルトスワップ(CDS)とは?で例に挙げたものを、参照組織をリーマンブラザーズホールディングスに変更し、かつ回収率を反映させたような契約内容にすると以下のようになります(契約期間も変更しています)。


2006年9月20日から2011年9月20日の間(5年間)に、リーマンブラザーズホールディングスが倒産したら、SさんはBさんに10億円(想定元本)×(1-回収率)を払うこととする。ただし、BさんはSさんに毎年保険料として、400万円の支払いをするものとする。また、倒産が起きた場合には、その後の保険料の支払いは発生しないものとする。


実際のCDS契約はまさにこのようなものです。上のニュースによると、回収率は8.625ですので、SさんはBさんに

10億円×(1-0.08625)=9.1375億円

つまり、9億1375万円の支払いをしてCDS契約が終了となるわけです。一方、この決済の時点まで、SさんはBさんから毎年400万円、この場合は契約から約2年経過していますから合計で800万円の保険料を受け取っていることになります。

Bさんから見ると、800万円の保険料を支払うことによって、約9億円の支払いを受けたことになります。これがCDS契約の実際です。


今回の内容は専門用語も少し含まれていて、わかりにくい内容となってしまったかもしれませんが、すべてをきちんと理解するのはかなり難しいと思いますので気にされる必要はありません。ぼくもまだわかっていませんし、、、


少しでも参考になればと思います。

前回も挙げましたが、以下の本がとても詳しく書かれています(一般の方向けというわけではありませんが)。

クレジット・デリバティブのすべて 第2版
河合 祐子
4881777424

長いですが、最後にもう一つ記事を引用しておきます。

There are often more CDS contracts than actual bonds to which they're linked. That means when a big default happens, an auction is held to work out the value at which traders can settle the contracts in cash.

CDSの残高は、参照債務(債券)の実際の残高よりも大きくなること、そして、

Roughly $400 billion will be paid out on Lehman CDS, but, once all positive and negative positions are "netted" out, about 2% of that money will actually change hands, Pickel estimated. Payments are due on Oct. 21 to settle Lehman CDS in cash, he said.

買いと売りを相殺した後では、実際の決済額はかなり小さくなること、が明確に書かれています。


Lehman derivatives auction described as 'smooth'
Value of Lehman bonds set at 8.625 cents on dollar; contracts to settle Oct. 21

SAN FRANCISCO (MarketWatch) -- An auction to work out the value of Lehman Brothers bonds for the huge credit derivatives market went smoothly Friday, according to the International Swaps and Derivatives Association, which helps oversee the market.

The auction set the value of the debt of the bankrupt brokerage firm at 8.625 cents on the dollar, said Markit and Creditex, the administrators of the auction.

Earlier action in the auction suggested Lehman (LEHMQ 0.10, 0.00, -2.0%) bonds might be worth almost 10 cents on the dollar. The final result means sellers of protection in the credit-default-swap market may have to pay out more than expected to settle the contracts.

Credit-default swaps are a common type of derivative contract that pay out in the event of default. The market has grown quickly, with the notional amount of contracts outstanding surging past $50 trillion in recent years.

The collapse of Lehman, the largest bankruptcy in U.S. history, along with the failures of Fannie Mae, Freddie Mac and Washington Mutual, have sparked concern that the CDS market could crack under the weight of so many contracts settling in such a short time.
There are often more CDS contracts than actual bonds to which they're linked. That means when a big default happens, an auction is held to work out the value at which traders can settle the contracts in cash.

Similar auctions earlier this week to set the price of Fannie and Freddie debt were "messy," undermining confidence in the process, according to CreditSights, an independent fixed-income research firm.

However, the Lehman auction Friday went "smoothly" and "efficiently," according to Robert Pickel, chief executive of the ISDA, which represents major dealers in the CDS market.

Traders and other CDS market participants marked the fair value of their exposures and posted more collateral as Lehman's troubles increased, Pickel explained. This discipline means that sellers of protection should not have trouble paying to settle the contracts related to Lehman, he added.

The result of the Lehman auction means sellers of CDS protection on the firm will need to pay 91.375 cents on the dollar to their counterparties.

Roughly $400 billion will be paid out on Lehman CDS, but, once all positive and negative positions are "netted" out, about 2% of that money will actually change hands, Pickel estimated. Payments are due on Oct. 21 to settle Lehman CDS in cash, he said.

In a Pickel

ISDA represents major dealers in over-the-counter derivatives markets. Because CDS aren't traded on an exchange and prices and positions aren't published, the market is lucrative for dealers.

But the credit crunch has increased calls for more regulation of CDS, something that may not be in the interests of ISDA members.

On Friday, the ISDA's Pickel said that despite "significant criticism," recently, the CDS market has continued to function and remain liquid, giving investors the chance to express their views, while other markets have tightened up.

But one problem with the CDS auction process, and the market in general, is that it's often unclear how many contracts are linked to the debt of specific companies because there's no central repository for such information, CreditSights explained in a note to clients earlier this week.

This lack of information sometimes means that auctions, like the ones for Fannie and Freddie this week, can produce surprising results, the firm added.

Such problems will add to calls for changes to the CDS market. CreditSights reckons a central clearinghouse for trades would reduce counterparty risk and provide transparency.

An official exchange for CDS trades would cut counterparty risk even more because it would take decisions on required margin levels away from the sell side brokerage firms that currently operate in the over-the-counter market, CreditSights said.

Indeed, the New York Federal Reserve met this week with CDS market participants to discuss possible changes.

There will probably always be over-the-counter trading in CDS, like there is in energy markets, CreditSights said.

"If there was ever a time for an exchange product to emerge, however, this is certainly the time," the firm added.

Alistair Barr is a reporter for MarketWatch in San Francisco.

http://www.marketwatch.com/news/story/lehman-derivatives-auction-described-smooth/story.aspx?guid=%7BA5ACF291-FC4D-478D-845D-8713E50448B3%7D&dist=msr_4

毎日、ほんとにいろいろなことが起きていますが、今度は何と、日本で上場REIT(Real Estate Investment Trusts)の一つである、ニューシティレジデンス投資法人が破綻しました。

いやぁ、これには本当に驚きました。普通の企業ではなく、REITですよ、REIT。

まずは破綻のニュースから。

ニューシティレジデンス投資法人が民再法申請、負債総額1123億円

[東京 9日 ロイター] ニューシティ・レジデンス投資法人8965.Tは9日、東京地方裁判所に民事再生法手続き開始の申し立てを行い、受理されたと発表した。負債総額は1123億円。

 米国に端を発した信用収縮の影響で日本の不動産市況も打撃を受け、取得する予定だった資産の決済資金や借入金の返済を調達できなくなった。今年に入り、不動産関連企業の経営破たんが相次いでいることを背景に新規融資や借入金の借り換えが難しくなったほか、保有している資産の売却もうまく行かず、今月返済の期限を迎える借入金の調達のめどが立たなくなった。

 東京商工リサーチによると、9月の全国倒産件数(負債総額1000万円以上)を業種別にみると、建設業が401件(前年同月比41.1%増)、不動産業が47件(同30.5%増)となり、建設、不動産企業の経営悪化が目立つ。

 ニューシティは、2004年12月に東京証券取引所に上場した不動産投資信託(J─REIT)で、08年2月期は24億5300万円の当期利益を計上していた。時価総額は8日終値ベースで約129億円。

 9日のニューシティ・レジデンス投資法人の終値は前営業日比1万円安の7万1000円だった。

(ロイターニュース 江本 恵美記者)

http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-34217220081009


REITがやっていることも、ぼくらのような個人の不動産投資家がやっていることも、基本的にはまったく同じです。自己資金をある程度出して、ローンを引っぱってきて、物件を購入。賃料収入から金利(および元本)返済にあてていき、手元にキャッシュフローが残れば、それが利益(もちろん各種税金は支払いますが)、ということだと思います。

ただ、REITと個人投資家で大きく違うのは次の2点でしょうか(いや、他にもいっぱいあるとは思いますが)。

  1. REITの場合は、導管体性を満たすために、手元に資金を残すことができず、ある決算期に発生したキャッシュはほとんどすべて投資家に分配しなければならないようになっています。
  2. REITの場合、ローンは短期借り入れが多く、保有物件の時価評価によってリファイナンスが難しくなることがあると思われます。一方、個人投資家の場合は20年とか30年とかの長期の借り入れで行うことが多いでしょうから、返済さえきちんと行っていれば、突然の大きな条件変更はほとんどないと思われます。

REITはこういった経営を強いられているわけですから、不動産市場の影響を非常に受けやすく、脆弱な財務基盤を持っていると言えるかもしれません。個人で不動産投資をする場合、賃料市場の影響は受けやすいが、物件自体の評価額の影響は限定的です。さらに会社員とかであれば、給与収入もありますし。

「個人のファイナンシャルプランを考えるときに、どんな時も生活の3~6ヶ月程度分は現預金で持ちましょう」という話があったり、「企業経営の資金繰りで手元流動性を確保しましょう」という話があったり、はたまた「松下幸之助さんのダム経営」の話なんかは、すべて同じ考え方に基づくもでしょう。

短期的には、一見無駄に見えるものであっても、長期的に安定させるためには、「備えあれば憂いなし」ということでしょうか。


さて、話を元に戻しますが、サブプライム関連(証券化商品)で格付け機関の信頼性が疑問視されていましたが、今回も格付け会社の格付けはきちんと機能するのか?という気がしてなりません。

ニューシティ・レジデンス投資法人<8965.T>の格付けをBa1に4ノッチ引き下げ=ムーディーズ

[東京 10日 ロイター] ムーディーズ・インベスターズ・サービスは10日、ニューシティ・レジデンス投資法人8965.T<0#8965=JFI>の発行体格付け・無担保長期債務格付けをA3からBa1に4ノッチ引き下げた上で、さらに引き下げ方向で見直すと発表した。

 ムーディーズによると、今回の格下げは、10月9日にニューシティ・レジデンス投資法人が民事再生手続開始の申立てを行ったことに伴う措置。

http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK019628020081010?feedType=RSS&feedName=marketsNews&rpc=155


ニューシティ・レジデンス<8965.T>の投資法人債格付けをA+からCCCに引き下げ=R&I

[東京 9日 ロイター] 格付投資情報センター(R&I)は9日、ニューシティ・

レジデンス8965.T<0#8965=JFI>の投資法人債格付けをA+からCCCに引き下げた。

http://jp.reuters.com/article/companyNews/idJPnTK017710520081009?feedType=RSS&feedName=companyNews


破綻直前まで、ムーディーズはA3、R&IはA+を付与していたようです。もちろん格付け推移行列なんかを見れば、過去でA3やA+あたりでも破綻する事例はあるとは思うのですが、そもそもそういうことが起きていたという事実が、格付け機関の能力の限界を示しているものだと思います。

今回のニューシティレジデンス投資法人の場合、主要株主がシービー・リチャード・エリス・インベスターズ・ホールディングス株式会社や株式会社ニューシティコーポレーションといったスポンサーであったために、個人投資家への影響は限定的だったと思われますが、個人が多数を占めていたら、大変なことになっていたのではないでしょうか。

日本のREIT市場はまだまだ未成熟なんですかね。


ちなみに、平成20年9月26日に以下のようなプレスリリースがあったのですが、

資金の借入れ(金利決定)に関するお知らせ

短期借り入れではあるものの、金利は約1.5%なんですね。安いなぁ、と思いました。


それにしても、今回の破綻には驚きました。

ぼくがやっている不動産投資の現状だと、破綻なんか起きる気がしないのですが。

やはり、DCR(Debt Coverage Ratio)は大切です。

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yokoken

投資家的観点から日々思うことを書きたいと思います。まあ、ただの日記なのですが。
Manchester Business SchoolでのMBA留学を終え、2008年4月に帰国しました。最近は不動産投資やマイホーム購入に興味を持っています。


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